地代を払い続けるのと底地購入、どっちがお得?
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旧法が適用されている借地においては、借地人さんの権利は手厚く保護されており、借地人さんは、非常に安い地代で長期間にわたって土地を使用できます。では、借地人さんは土地を借り続ける方が得策なのでしょうか。そこで今回は、地代の支払額と、底地を購入する場合のローンを比較して、どちらがお得なのかをご紹介します。
目次
毎月4万円の地代でも、20年間支払い続けたら960万円に
1坪あたり時価100万円、40坪、借地権割合60%の土地を借りて家を建てて住んでいるとしましょう。地代を1坪あたり1,000円とすると、支払額は毎月4万円、年間で48万円になります。地代が変わらないとして、20年間住み続けたら、支払う地代の総額は960万円にのぼります。
借地では、地代と別に「更新料」「承諾料」も必要
借地に住み続けると、地代の他にもコストがかかります。
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20年ごとにかかる更新料は、更地価格の約3%
旧借地法による借地契約は原則30年、更新後は20年の契約期間となり、更新期限がくれば地主さんから更新料を請求されます。更新料は、更地価格の3%程度に落ち着くことが一般的です。この土地の場合は更地価格4,000万円なので、120万円程度となります。
建て替えに必要な承諾料は木造で更地価格の約3%、鉄筋なら10%程度
建替えや大改築をするときには地主さんの承諾が必要で、承諾をもらうために承諾料を払います。承諾料は、木造であれば更地価格の3%前後、鉄筋なら更地価格の8~12%が目安です。今回の場合、4,000万円の土地に木造の家を建て替えるなら、承諾料は120万円程度になります。
承諾料を支払わないと、建替えについて地主さんの承諾が得られません。結果的に、建物が住めないほど老朽化が進んだり、建物を壊したまま放置したりすることになりますが、このような状態では、更新の時に地主さんに拒絶される可能性があります。また、住宅ローンが組めない可能性も高いのです。
建て替えの費用のローンを組むには、地主さんの承諾が必要
建替費用を工面するためにローンを組むケースは多いと思いますが、ここでも、地主さんの承諾が必要です。借地上に家を建てるためのローンの場合、借地権そのものに抵当権を付けることはできません。そこで、建物を担保とすることで、借地権を担保としたのと同じ効力を持たせます。万一、ローンが返せなくなれば、借地人さんから金融機関に借地権を譲渡することになるので、地主さんの承諾が必要なのです。
20年間で借地人さんが支払うトータルの金額はなんと1,200万円
20年間で更新が1回、建替えが1回あると考えれば、支払う金額は、地代総額960万円+更新料120万円+建築承諾料120万円=1,200万円(※)になります。この底地を買い取る場合の価格は、更地価格4,000万円の40%である1,600万円が目安なので、1,200万円に少し足せば、底地を買えることがわかります。
※実際には承諾料の支払いが更新料も兼ねることがあり、更新料と承諾料の両方を満額請求されることはまれですが、今回はもっとも高くつくケースを想定しています。
底地を購入した場合の月々の負担額は、さほど大きくない
底地を購入するための資金には、住宅ローンが使えます。
頭金400万円が用意できれば、毎月の地代とほぼ同じ負担額で底地購入のローンが組める
金利が非常に低い今なら、30年間固定金利で年利1.2%という好条件のローン商品も珍しくありません。金利1.2%、30年返済なら、地代と同じ毎月約4万円の返済額で、1,200万円程度を借り入れることができます。支出が予定されている更新料と承諾料の合計240万円に少し足して400万円の頭金が準備できれば、ちょうど1,600万円。借地のままでいるのと月々の負担はほぼ同じで、底地が購入できる計算です。
頭金ゼロでも、月々の負担はわずか5万3000円程度
底地購入資金1,600万円を全額ローンで借りるとしても、金利1.2%、30年返済で、毎月の返済額は約53,000円です。現在、毎月4万円の地代を支出しているのですから、13,000円程度の増額は可能だと思われます。
以上のように、購入資金の問題はクリアできそうなことがわかります。
借地人さんが底地を購入した場合と、借地権のまま地代を支払い続けた場合の支払総額の比較をグラフに示すと以下のようになります。
借地に住み続けるなら、購入も検討しよう
土地に関して支払う金額の総額を比較してみると、長く住み続けるほど借地の優位性は下がり、ある時点で「購入した方が安くついた」という状態になります。地代が安く、現在だけ考えるとお得なように思えても、長い目で見れば、必ずしもそうとはいえないのです。
底地を購入しローン返済が終わった後は、月々の負担はなくなります。将来その土地が値上がりするようなことがあれば、売却して収益を得ることもできるのです。借地にお住まいの方は、購入を検討されることをおすすめします。
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