相続税の負担をできるだけ軽くしたい持夫さん一家のお話【イラストでわかりやすく】
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自分が死んだ後、子どもたちが納める相続税の負担を少しでも和らげたい。相続税を安くするには、どうすればいいか。このような相談をよく受けます。
今回ご紹介する地主さん一家もその一人。ところが、相続税についてあまり詳しくわからず、お困りの様子です。さて、相続税の負担を少しでも軽くできるのでしょうか?
登場人物
地主 持夫さん・とち子さん
地主のご夫婦。子どもへの相続の心配で頭がいっぱい
地主 太郎さん
地主ご夫婦の長男。離れて暮らす両親を心配している
ニーズ・プラス
底地・借地・借家のプロフェッショナル
相続対策…一体、何から始めればいいの?
太郎(息子)のために相続のことも考えないとな…。でも、何から、どのように考えればいいのかさっぱりわからないよ。
地主 持夫さん
・とち子さん
相続と言えば、相続税を支払う必要があるよね。税金の話は、なんだか難しそう。ネットで調べてみようかな…。
地主 太郎さん
ニーズ・プラス
相続の件は、早い段階から事前に準備しておくことが重要ですね!
ニーズ・プラスさん!
そうなんです。相続の件は「問題を先延ばし」をしないと決めました。ただ、税金の話は難しくて、なかなか手が動きません。
地主 持夫さん
・とち子さん
ニーズ・プラス
なるほど。では、今回は「相続税」について、説明させていただきますね!
ぜひぜひ、よろしくお願いします!
地主 太郎さん
※相続について、ついに検討しはじめた持夫さん一家。苦手な税金の話に興味津々。
さて、税金の悩みは解決するのでしょうか…(続く)
相続税、我が家は支払い対象?
初歩的な質問なんですが…そもそも、私は相続税を支払う必要ってあるのでしょうか?(笑)
地主 太郎さん
ニーズ・プラス
いい質問です。相続すれば自動的に相続税を支払う、というわけではありません。相続税の支払いには一定の条件があります。
そうなんですね。なるほど、なるほど!(前のめりになる息子)
地主 太郎さん
ニーズ・プラス
相続税には基礎控除額というものがあり、その額を上回った資産がある場合課税対象となります。基礎控除は、資産額に関係なく3000万円に法定相続人数×600万円を足した金額です。
ニーズ・プラス
地主さん一家の場合は、奥様と息子(太郎)さん2人ですので、基礎控除額は4,200万円(3,000+600×2)となります。4,200万以下であれば相続税を必要はありません。(※その他控除額は除く)
相続税は、どんどん課税強化されているという話も聞きますが…
地主 持夫さん
・とち子さん
ニーズ・プラス
その通りです。2015年(平成27年)より、相続税の基礎控除額が大幅に引き下げられました。税制改正により、相続税の課税対象になる方が増加しています。
我が家の場合は4,200万円か。どうだろう、相続税の支払い対象になるかな?
地主 持夫さん
・とち子さん
ニーズ・プラス
財産のすべてを把握しているケースは、多くはありません。「蓋を開けてみたら思いのほか財産が多く、相続税の支払い対象だった」ということも十分有りえるので十分注意が必要です。
どのように注意すればいいのでしょうか?(心配そうな息子)
地主 太郎さん
ニーズ・プラス
相続が発生したら、まず一番はじめにやってほしいのが相続額の把握です。現金だけではなく、有価証券、家や土地などの不動産とさまざまあります。相続する財産がすべて現金なら把握しやすいのですが、不動産は相続税評価額で計算されるため、きちんと計算してみないとわからないものです。
ニーズ・プラス
把握するだけでも時間がかかるので、相続額の把握は早めに着手しましょう。スムーズな相続のためには、ご本人が健在のうちに財産を整理しておくことも重要です。相続までにまだ時間がありそうなら相続対策をおすすめします。余計な税金を支払わなくてよくなるかもしれません。
相続税の対策については、のちほど詳しく説明しますね!
ありがとうございます!
地主 太郎さん
節税対策の前に注意すべきこと
それではさっそく、相続税の節税対策について説明しえもらえますか?
地主 持夫さん
・とち子さん
ニーズ・プラス
相続税の節税について考える前に注意すべきことがあります。
それは、検討する項目とその順番です。
ニーズ・プラス
具体的には、
- 1)円満な遺産相続
- 2)現金の確保
- 3)節税対策
節税対策は一番後になります。
相続対策では、この順番を守らなければなりません。
確かに、円満に相続できても、現金がないと、相続税の節税の話すらできませんね。(納得の持夫さん)
地主 持夫さん
・とち子さん
ニーズ・プラス
まず、第一の対策「円満な遺産相続」について説明します。
実は、相続対策で一番難しいのが、この円満な遺産相続なんです。
え?!なぜでしょうか…?
地主 太郎さん
ニーズ・プラス
相続の際に、相続人同士が話し合って財産分配を決められれば理想的ですが、相続人全員が納得できる遺産分割というのは、なかなか難しいものです。
ニーズ・プラス
特に相続する資産がすべて現金の場合は簡単に分配はできますが、底地の不動産など異なる属性、分割できない資産があると、かなりの確率で親族同士が揉めることになります。
確かに、自分だけは現金がいい、とか言えませんもんね。(笑)
地主 太郎さん
ニーズ・プラス
相続時の遺産トラブルを避けるために、
- ●地主さんご自身で決めること
- ●地主さんは自分の財産を誰にどのように分配したいのかを、「遺言書」で遺すこと
この2点が、円満な遺産相続のコツになります。
はい、わかりました。(決意を新たにする持夫さん)
地主 持夫さん
・とち子さん
ニーズ・プラス
次に検討するのが「現金の確保」となります。現金がないと、納税も節税もできません。不動産は多数所有していても、現金の資産は持ち合わせていないという地主さんも案外多いもの。
場合によっては、納税資金を捻出するために、先祖代々受け継いできた土地を手放さざるを得ないこともあるので注意してくださいね。
現金を確保するために、何かいい方法はありますか?
地主 太郎さん
ニーズ・プラス
現金を確保するための方法として、以下3つの方法が挙げられます。
1)生命保険に加入する
被相続人(夫さん)の死後、相続人(母、息子)に支払われる死亡保険金を、相続人が納税資金として活用できるようにしておく2)土地の有効利用などにより支払能力を高める
賃貸マンションなどで、納税用の現金の流動性を確保する3)不動産(底地)を売却し、流動性のある金融資産などに変えておく
底地など収益性が低い資産は、早めに流動性の高い資産(一番は現金)にしておく
どの方法がいいのでしょうか?
地主 太郎さん
ニーズ・プラス
節税に効果があるのは「不動産の有効活用」です。相続税の節税に適した理想的な資産は、相続税評価額が低く、実際の資産価値が高い資産です。所有している土地の相続税評価額が低く、実勢価格が高ければ、建物を建てることで節税効果が期待できます。
ニーズ・プラス
そして、最後に検討するのが節税対策です。
ニーズ・プラス
節税対策には、主に3つの方法に分類できます。
1)相続財産を減らす(贈与する)
早い段階から非課税の範囲内で相続人に財産を移転(贈与)することで、納税額を低く抑えることができます2)相続財産の評価を下げる
更地にマンションを建てて人に貸し、相続税評価額の低いものに変える。実勢価格(時価)が高く、一方で相続税評価額を低ければ、その分節税につながります。3)法律上の軽減措置を利用する
配偶者の税額軽減、生命保険金の非課税枠、養子縁組など
ありがとうございます。節税対策は直前になってはじめても、対応が難しいようですね。
地主 持夫さん
・とち子さん
ニーズ・プラス
相続税の節税対策は、できるだけ早めに立てることが重要です!
ニーズ・プラス
相続開始直前では節税効果も低くなります。相続税法や関連する法律は毎年改正され、経済情勢も日々変化しているので、専門家に相談しながら計画的に行動していくことをおすすめします。
※節税対策まで説明してもらい、持夫さん一家はすっかり相続税について理解が深まったようです。
ただ、底地の相続税について気になる点があるようです。それは…(続く)
底地の相続。税金はどのように計算する?
相続税について、だいぶ理解ができました。
我が家は底地を所有しているのですが、底地の相続税はどのように計算しますか?地主 持夫さん
・とち子さん
ニーズ・プラス
底地の相続税を算出する場合、まず相続税評価額を確認します。
相続税評価額は「借地権の値段+底地の値段=更地価格」が前提となりますので、注意してください。
具体的な事例などありますか?
地主 持夫さん
・とち子さん
ニーズ・プラス
例えば、時価3,000万円の土地の更地としての相続税評価額は2,400万円としましょう。(※国税局が定める路線価から算出。およそ実勢価格の8割ほどと言われています)
この土地の所在地が借地権割合60%の地域であった場合、底地の相続税評価額は2,400万円×(1-60%)=960万円となります。
なるほど!更地の基準に、底地の割合に応じて相続税評価額を調整すればいいのですね。つまり、底地の相続税額は更地に比べて低くなると…
地主 太郎さん
確かに、底地の相続税は納税額だけみれば低くなりますが、手放しでは喜べません。
地主 持夫さん
・とち子さん
なぜでしょうか?
地主 太郎さん
ニーズ・プラス
底地としての利用価値は、更地に比べかなり制限されるうえ、収益(地代)も限定的です。そのため底地の市場価格は、相続税の額を下回ってしまうことも起こりえます。
そうか…つまり、もし相続後に底地を売却する場合、相続時には実際に売却できる価格より高い評価額で
相続したことになり、相続税の負担が大きくなりますね。地主 持夫さん
・とち子さん
ニーズ・プラス
おっしゃる通りです。底地の整理・売却は、損得だけでは判断できないかもしれません。しかし、底地の相続は税金の面ではメリットがありません。
相続対策の一環として、底地の整理・売却も視野に、検討してみるのもいいでのではないでしょうか。
…分かりました。先祖代々継承してきた土地を手放すのは、心理的な抵抗はありますが、相続税の負担や、現金の確保を考えると検討する価値はありますね!
地主 持夫さん
・とち子さん
※底地の相続税を考えると、どうやら底地の整理・売却も検討するようです。問題の先延ばしせず、まずは具体的に把握してみることが重要です。
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まずは値段の見積もり(無料)から
いままで底地の整理については、後回しにしていたな。
でも、底地を手放すとなると、お値段はどのくらいに…?地主 持夫さん
・とち子さん
ニーズ・プラス
そうですよね。いくら底地売却のメリットを聞いても、いくらで売れるか確認してから判断する必要があります。ニーズ・プラスでは、底地を売却した時のお値段を無料で算出させていただきます。
簡単にできますか?
あまり面倒だと…(心配そうな表情)地主 持夫さん
・とち子さん
ニーズ・プラス
大丈夫ですよ!
ニーズ・プラス
整理を検討したい底地の契約内容(地代、契約期間)などによって、個別にお値段に算出します。まずは、持夫さんの底地に関する関連書類をご準備ください。
なるほど。底地を整理するかどうかは、まず値段をみてから判断するか。
では、無料の見積もりをお願いしようかな!地主 持夫さん
・とち子さん
ニーズ・プラス
はい、承知しました!
ニーズ・プラス
ニーズ・プラスは、相続や土地問題でお困りのお客様一人ひとりとじっくり向き合い、ご要望をお伺いした上で、内容に沿った最善の解決策をご提案致します。
地主さんと借地人さんの間を取り持ち、複雑化してしまった底地トラブルでもスムーズに解決へと導きます。
相続・土地問題についてのお悩みは、ニーズ・プラスへお気軽にご相談ください!