相続税の電子申告、2019年10月から開始予定!e-Taxってなに?

2019.05.21

行政にも電子化の波が次々に押し寄せています。政府は2017年5月にデジタルガバメントを策定し、税金の申告をインターネットでできるように改革しています。
また2019年10月には相続税の申告が電子化される見込みです。
相続税は、身近な方との別れにショックを受ける中、早急に処理しなければならない上に、それぞれの手続きが一箇所で済まないことから一元化が叫ばれています。そういった面倒な手続きも、自宅で申告ができれば時間短縮になります。
では実際に、電子化することで私たちの税申告作業の負担は軽くなるのでしょうか?
現在の状況とこれからの電子化についてお伝えします。

e-TaxTop

引用:【e-Tax】国税電子申告・納税システム(イータックス)

e-Taxってなに?

確定申告に付随する税金の申告手続きがインターネット上で行えるサービスです。正式には、「国税電子申告・納税システム」といい、国税庁が運営しています。所得税や法人税、贈与税などの各種税金の申告が行えるシステムです。
これまでの書面による提出方法に加えて、新たな提出方法の選択肢を利用者等に提供するものです。また、全税目に係る納税ができることも大きなメリットです。

参考リンク
【e-Tax】国税電子申告・納税システム/国税庁

電子申告(e-Tax)のメリットは?

さまざまな税金の申告が電子化されつつあります。行政の処理作業効率化のためだけでなく、私たちにはどのようなメリットがあるのでしょうか?

電子申告なら24時間いつでも申告できる

電子申告の一番のメリットは、時間と場所を選ばないことです。税務署が開いているのは、平日の朝から夕方まで。申告をしに行きたくても、仕事を抜けて長い列に並ぶ時間的余裕がない、という方もいるでしょう。
電子申告なら申告期間中は24時間提出が可能です(メンテナンス時間を除く)。確定申告の場合、申告期間の一ヶ月前からサイトが利用できるので、焦ることなく準備ができるのも嬉しいポイントです。

添付書類が免除される

例えば医療費控除の申告をする場合、窓口だと医療費の領収書・本人確認書類・源泉徴収票の提出が求められます。しかし、電子申告ならそれらが省略できます。ただし、5年間の保管義務があるので必ず取っておきましょう。

約3週間で還付される

窓口や郵送で書類を送付すると税務署職員は処理に時間がかかります。その一方、電子申告は、その手間が大幅に省けるので、還付も早いのです。

電子納税ができる

e-Taxを使って、すべての税目の支払いができます。インターネット環境があれば、自宅やオフィスから手続きできるので便利です。従来のように金融機関の窓口まで出向かなくて済むため、金融機関の場所や受付時間などの制約がなくなります。
ただし、領収書は発行されないので、必要な方は窓口に納付書を持参して納付を行ってください。
電子納税には、届出した預貯金口座からの振替と、インターネットバンキング利用の2つの方法がありますので、状況に合わせて決めましょう。

申告前に準備しておくこと

申告するためには少し準備が必要です。途中で挫折することがないように、始める前に必要なものは揃えておきましょう。

電子証明書付きマイナンバーカードを入手する

本人認証のために使うマイナンバーカードには、電子証明書がついています。カード作成時に「発行しない」こともできますが、電子証明書がないと電子申告には使えません。これから作る方は必ず「電子証明書」を発行しておきましょう。
発行と言っても書類をもらうわけではなく、見た目は変わりません。マイナンバーカードに電子証明書が搭載されるだけです。
マイナンバーカードは持っていても電子証明書をつけていなかった場合、初回は無料で発行できます。管轄の役所へお問い合わせください。
また、2019年1月から暫定的に、役所でID・パスワードを発行しての認証が可能になりました。マイナンバーカードを所有していないなら、この方が早く処理が進むかもしれません。とはいえ、期限に余裕があるのなら、先のことを考えてマイナンバーカードでの認証をおすすめします。
また、パソコン環境によってはe-Taxに対応していないことがあります。古いパソコンをお使いの場合は事前に確認しましょう。

電子申告をするにはICカードリーダーの購入が必要

まず、お手持ちのパソコンのOSのバーションがe-Taxに適合しているか確認してください。
e-Tax利用時、本人認証をするためにマイナンバーカードをICカードリーダーで読み込みます。銀行のように無料で配布してくれることはないので、自費購入しなければなりません。
ICカードリーダーは、2,000円から5,000円程度で手に入ります。Suicaの履歴を読み込んだり、電子マネーのチャージができたりする機種もありますが、e-Taxに対応していることを必ず確認してください。「OSがMacintoshだと使えない」など対応PCが限られていることもありますので気をつけましょう。

参考リンク

e-Tax システム利用のための環境等/国税庁(OS・ブラウザ等の確認はこちらから)

個人番号カード適合性検証済カードリーダライタ一覧表/地方公共団体情報システム機構

電子申告できるのは何税?

2019年6月現在、電子申告ができる税金は以下の通りです。
所得税、贈与税、法人税、地方法人税、消費税、復興特別法人税、酒税、印紙税など多岐にわたります。一部、電子申告適用外のものもあります。
相続税は2019年10月より電子申告が開始される予定です。これまでほとんどの税目が電子申告に対応してきましたが、相続税は相続人連名で作成する形のため、今のシステムでは対応しにくかったようです。また提出書類が多いことも一因でしょう。どういった形で申告がすることになるのか、今後の動きに注目です。

贈与税の申告

確定申告書等作成コーナー

引用:国税庁 確定申告書等作成コーナー

贈与税は電子申告ができますが、ダウンロードして使うe-Taxソフトには対応していないので、国税庁ホームページ「確定申告書等作成コーナー」から直接入力して申告します。
添付書類はPDFによる提出が可能です。ただし「相続時清算課税選択届出書」など、電子データで提出可能なものについてはPDFでの提出は不可なので、申告画面から入力します。

以下のページに、各税のどういった申告でe-Taxが使えるのか、詳細に記載されています。
申告予定の税が対応しているか確かめてから、利用開始してください。

参考リンク

e-Tax利用可能手続一覧/国税庁

確定申告書等作成コーナー/国税庁

電子化の問題点

古いパソコンでは申告できない

普段はパソコンを使っての管理はしておらず、古いパソコンしかない方もいるでしょう。電子申告には、国税庁ホームページ「確定申告書等作成コーナー」から直接入力していく方法と、「e-Taxソフト」をダウンロードして作成する方法がありますが、どちらにしてもバーションの古いパソコンだと正常に作動しない可能性があります。

パソコン操作が苦手だと難しい

おじいさん パソコン

高齢者や普段パソコン操作に慣れていない方だと、ページにアクセスしたり、データを保存したり、ソフトをダウンロードしたりするのは難易度が高いかもしれません。また正しく処理が行われているのか、わからなくなってしまうこともあるでしょう。
業務でパソコンを使っていたとしても、官公庁のサイトは民間のようにはわかりやすくないので、戸惑います。
電話による問い合わせもできますが、申告時期に問い合わせが集中することから回線が混み合い、通じにくくなることも多いようです。

説明が複雑

国税庁のホームページに詳細な説明が載っていますが、まず該当箇所を探すのが大変です。パソコンの扱いに慣れていないと、それを探すことすら困難であると推測されます。
また、見つけられたとしても、法律用語が交じる全文を読んで理解し、電子申告をするのは予備知識のない一般市民にはハードルが高いかもしれません。

事前の準備が面倒

いざ申告をしようとしても、ICカードリーダーの購入が必要だったり、電子証明書付きのマイナンバーカードがないと認証ができなかったり、パソコンが対応しているか確認しなければならなかったりといろいろな壁に突き当たります。
今年こそ電子申告で!と思いながらも面倒になり、先送りにしている方も多いのではないでしょうか。
最初は少し大変ですが、一度やってしまえば次年度からは楽になるので、チャレンジする価値はありそうです。

今後の電子化の流れ

税務署

行政と市民の負担軽減を目指して

2018年10 ⽉内閣官房IT総合戦略室が「死亡・相続ワンストップサービス の検討状況について」を示しました。これは死亡者が増加するのに伴い増えた、遺族と行政業務の負担を減らすことを目的としています。
遺族が行う、死亡・相続に伴う手続きは各種あります。「戸籍の届出」「国民健康保険等の手続」「不動産登記情報の確認」「車庫証明の変更」など行政機関で手続するものだけでも多いのですが、役所に行くだけでは済ませられず、家庭裁判所や法務局にも行かなければならないこともあります。
これに加え、電気・ガス・水道の停止や、銀行の口座停止、生命保険の受け取りなど、民間等での手続きもあるのですから、大変です。
また、遺産分割協議に手間取ることもあります。財産が多ければ10ヵ月以内に相続税を支払わなければなりません。

相続税の電子申告開始

そんな中、2019年10月から相続税の電子申告が開始されます。運用面での課題はありますが、これからは「死亡・相続ワンストップサービス の検討状況について」示されているように、死亡・相続に伴う手続きが簡単にできるように、整備が進められていきます。
相続税の電子申告、最新情報は以下の記事をご参照ください。
【e-tax】2019年10月1日から開始した相続税の電子申告をわかりやすく解説(2019年10月4日公開)

参考リンク
死亡・相続に係る手続のワンストップサービスの実現/内閣官房IT総合戦略室

今後が期待される電子申告

残念ながら電子申告は、今のところは「簡単にできる」ところまでは至っておらず、人によっては郵送や窓口に行ってやったほうが早い、という状況のようです。
しかし、今の過程を経て、どんどん利用しやすくなっていくことが予想されます。AI技術の発達で、自宅にいながらにして、窓口にいるような対応が受けられる日もそう遠くないでしょう。
セキュリティの問題から作業過程が増えている部分もあり、これからの課題となります。

借地の売却、相続・土地問題のお悩みは「ニーズ・プラス」にお任せください!!

ニーズ・プラスは、東京や千葉、埼玉、神奈川を中心に、数多くの物件を取り扱い、豊富な実績とノウハウを有しています。
相続や土地問題でお困りのお客様ひとりひとりとじっくり向き合い、ご要望をお伺いした上で、内容に沿った最善の解決策をご提案致します。
解決の難しい底地問題は、弊社が地主さんと借地人さんの間を取り持ち、底地にまつわる多様な知識を生かしながら、複雑化してしまった底地トラブルをスムーズに解決へと導きます。
弊社をご利用いただいたお客様からは、「トラブルを円満に解決できてよかった」「難しい取引も、すべてお任せできて安心できた」などと喜ばれております。

相続・土地問題についてのお悩みは、ニーズ・プラスへご相談ください。

ニーズ・プラス専任税理士 監修

TOP