リフォームで再生できる!再建築不可能物件とは

2019.05.24

年老いた両親が長年住んでいた家。「古くて狭いけれど、立地は非常に良く、通勤に便利な場所にある」「幼い頃に住んでいた実家は思い出深く、ご近所さんも顔見知りで自分にとっても暮らしやすい」となれば、相続後にはそこに住みたいと希望する方も多いのではないでしょうか。
いざ建て替えようとして問題になるのが「再建築不可物件」であること。工務店に建て替えを依頼したら断られ、そこで初めて「再建築不可物件」について知る方が増えています。
自宅や実家が再建築不可物件だったら、近くの土地を買い取る、建て替えはせずリフォームするといった方法もあります。
今回は再建築不可物件とは何か?再建築不可物件を所有していたらどうしたらいいのか、解説します。

再建築不可物件

再建築不可物件とは?

再建築不可物件とは、現行の建築基準法を満たさない物件のことです。現行法施行以前に建てられた建物に多いのですが、現行法に適合しないからといって、すぐに立ち退きを迫られるものではありません。該当する方も慌てる必要はなく、ひとまず現状を把握していれば十分です。
しかし、建て替えようとすると、いろいろな問題が発生します。まず、所有する土地の道路への間口が狭いと再建築は認めらません。これは土地の資産価値に大きな影響を与えます。また面する道路幅が基準を満たしていないと自宅敷地を下げて建築しなければなりません。

なぜそんな法律ができたの?

いつの時代も都市部は住みたい人が多いものですが、もちろん住める土地面積は限られています。そのため、少しでも広く使おうと、ぎっちり密集して家が立ち並んでいます。
家に面する道路は細い生活道路のみで、車が通れるような広さがないところもあります。
そのような家も、通常の生活をする上ではさほど不便はありません。むしろ、車通りがなく静かで、近隣との交流が楽しめる生活スタイルを好む方もいるでしょう。

しかし、ひとたび地震や火災が起きると、重大な危険に直面します。
まず、火災が起きた場合です。家と家との間隔が狭いと延焼の可能性が高まります。長屋に次々に延焼する江戸時代の火災と同じようなことが起こるのです。地震で家が倒壊した際も隣家へ被害や逃げ道の封鎖が懸念されます。
それに加えて、道幅が狭いと消防車による消火活動が思うようにできず、さらに被害が広がります。
再建築不可とされる物件はそういったリスクを持っており、その危険を回避するために現行の建築基準法ができました。
では再建築不可物件が再建築するにはどのような対策が求められるのか、見ていきます。

建築基準法でいう「道路」とは?

最初に確認しておきたいのは、「道路」についてです。建築基準法で定められている「道路」は、幅員(道路の幅)が4m以上ある道のことです。この道路は、公道であるか私道であるかは関係ありません。
公道に接していなくても、造成して公道に接するように幅4m以上の私道を作れば、現行法でも問題がない土地となります。
ただ、私道が道路として認められるためには「幅員が4m以上」「所定の角切りを確保する」などの要件を備える必要があります。その上で、役所の調査を受けると「位置指定道路」という建築基準法上の道路に認定されます。

「接道義務」間口が狭い土地は再建築できない

建築基準法では「建物を建築する敷地は、建築基準法に定める道路に2m以上接面していなければならない」と規定されています。これを一般的に「敷地の接道義務」といいます。間口が2mであるだけでなく、建築基準法上の道路から宅地の敷地までの間を、「直径2mのボールが通過できなくてはならない」ということです。
その問題は「旗竿地」や奥まった土地に建てられた建物に浮上します。
旗竿地は、旗をイメージすると分りやすいのですが、家に入るための道路に接している部分(間口)が1.8m程度でやや狭く、そこから廊下のように細長く土地が続き、奥の方に建物。がある敷地のことです。
解決するために道と接する部分の土地が買えればいいのですが、それが難しい場合、合法的に再建築できる可能性はゼロに近くなります。
しかし例外もあります。家に接する土地が公園や建物の立つ予定のない空き地だと、建築が認められる場合があるのです。
接道義務は、災害時の人命救出、消化活動をするためのものなので、それに支障がなければ建物が建てられます。とはいえ、そもそも旗竿地があるような立地に空き地があるとは考えにくく、適用はごく限られます。
たまたま「隣に公園が作られた」「公共の施設が建てられ、駐車場が隣にできた」などということがあれば、確認してみましょう。

セットバックは義務なの?

セットバック図
幅が4m以下の道にしか接面していないと、再建築の際に「セットバック」をしなければなりません。
建築基準法では幅が4m以上ないと道路として認められないと、最初にご説明しました。しかし、法施行された昭和25年以前から使われていた道路で幅員が4m以下のものについては道路として認められています。これを「42条2項道路」と言い、「2項道路」や「みなし道路」とも呼ばれています。東京23区の住宅の半数近くはこの2項道路に接しています。
この道路に面した建物は再建築が可能ですが、その際はセットバックし、その分の土地を道路としなければなりません。
例えば、家の前の道の幅員が2mだったら、再建築時は道の中心線から左右の住宅が1mずつ下げて建築することになります。下げた1m分の土地は道路となり、「自分のものではない、と考えねばなりません。ただし、この場合は「下げる」というだけの話ですから、それほどの痛手にはならないでしょう。
これから購入する方でも確認は簡単です。現地に行って、前面道路を自分の目で見てくればいいのです。車がすれ違えない幅の道だと、建て替え時にセットバックが必要です。不動産会社なら知っていて当然の知識なので、心配なら聞いておくとよいでしょう。

建ぺい率をオーバーしている

建ぺい率をオーバーしている物件は、再建築不可というわけではないのですが、再建築の際は現行法を適用しなければなりません。
昔から都市部は地価が高く、最低限の広さの土地しか購入できないことがあります。そうなると、敷地いっぱいに家を建てたくなります。
数十年前は規制が緩く、無許可の建物も見過ごされていたので、窓から手を伸ばせば隣に届いてしまうような住宅がたくさんありました。
そういった敷地の建物を取り壊し、再建築するときには現行法が適用されます。すると、ただでさえ狭い敷地なのに、さらに建築できる面積が減り、居住スペースを確保できなくなってしまうのです。結果として建築を諦めるしかありません。

相続した実家が再建築不可物件だったら?

最近「相続した実家に住む予定がなく売却したい」というご相談をよく受けます。その状況をお伺いする中で、再建築不可物件だとわかるケースがあります。
再建築不可物件は、買い手がほとんどつきません。建物自体がリフォーム済みで長く住めそうな場合はまだ良いかもしれませんが、古かったり、手入れが行き届いていなかったりすると周辺の相場価格ではとても売れません。売れたとしても半値を大きく下回ります。
ただ古いだけの物件なら取り壊す前提での購入もありますが、再建築不可物件だと、取り壊したら建物を建てられなくなってしまいます。それがわかっていて買う人少ないのです。
資金に余裕があるなら、少しでもいい条件で売るために、隣の住民に土地を売ってもらえないか、交渉しましょう。間口が広くなれば、高値で売れる可能性があります。
そのような交渉ごとが苦手なら、不動産会社に買い取ってもらえないか持ちかけてみるのも手です。売却希望を示せば、不動産会社が近隣への交渉をし、一緒に買い取ることを前提にある程度の価格で売れる場合もあります。隣接地の所有者さんが買い取ってくれる可能性もあるので声をかけてみてもいいかもしれません。

リフォームで再生。古い実家を新築同様にして有効活用

再建築不可物件は、元の建物を取り壊して、新しく建てることはできません。しかしながら、リフォームして再生する道は残されています。
法律違反にならないように配慮すれば、数年前に流行っていたテレビ番組のようにフルリフォームし、まるで新築のように建物を再生することができます。
リフォーム代が新築価格を大きく上回ってしまうのであればあまりおすすめできませんが、立地が良く、利用価値がある土地ならば、それに近いお金をかけるだけの価値があります。
自分で住む予定がなくてもリフォームして貸し出せば、そのまま空き家として所有するより資産の有効活用ができます。

最近では、安く買える再建築物件を狙って物件探しをする方がいるほどです。空き家が増えているとはいえ、都市部の人気エリアに更地はほとんどありません。すぐに住める魅力的なデザインの物件なら、借り手、買い手がつきやすいはずです。

参考記事
固定資産税が6倍に⁉︎相続した実家が空き家になってしまったら

再建築不可物件のリフォーム 注意すべきことは?

リフォーム

再建築不可物件をリフォームするのにはいくつか注意点があります。当初考えていたより費用がかかり、予算オーバーするかもしれません。
また、リフォーム資金の調達が難しいこともあります。以下、詳しく解説します。

基礎部分や柱が使えるか

あくまでもリフォームなので、基礎部分や柱はそのまま使用します。状態が良く、そのまま使えるのならいいのですが、柱の筋交いが途切れていたり、基礎が痛んでいたりすると、補強・補修費用が高額になる場合があります。
基礎部分は工事を始めないと痛み具合が分からないことがあるので、注意が必要です。

解体時に飛散するアスベスト

昭和30年頃から急激に輸入が増えたアスベスト。安価で使い勝手が良いことから、建築材料として広く使用されていました。しかし、アスベストの暴露から数十年を経て発症する中皮腫や肺がんなど、健康への影響が社会問題となりました。
それを受け、平成26年6月から建築物・工作物の解体工事等に伴う石綿(アスベスト)飛散防止対策が強化されました。
古い家を解体すると、建材として使われたアスベストが飛散します。建材にアスベストが含まれていた場合、リフォーム工事の際は近隣へ飛散しないよう対策を取らねばなりません。
その費用がリフォーム代に上乗せされることを頭に入れておきましょう。

参考リンク
解体等工事を始める前に /環境省

ローンの問題

新築の建物ならスムーズに通るローン審査も、再建築不可物件となると簡単にはいきません。都市銀行のローンは組めないのが通常で、借りられたとしても金利が高く設定されています。
自己資金があったり、相続で現金が手に入ったりしないと難しいかもしれません。

実際火災や地震が起きた時に備えて

再建築不可物件がリフォームで再生できても、災害時にリスクがあることは変わりません。いざという時に逃げ出しやすくしたり、近隣からの延焼が防げるように防火素材を使うなど、工夫することが重要です。
近隣住宅がリフォームされることがあれば、協力して防災に努められるといいですね。

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