公証役場とは

2019.12.25

みなさんは公証役場をご存じですか。遺言や契約の際に使う場所だとは知っていても、自分とは無縁のものと思っている方も多いのではないでしょうか。
今回はぜひ活用したい「確定日付」や公証役場の役割についてお伝えします。公証役場

公証役場とは?

公証役場は、法務省が所管する国の機関で、そこで働く公証人は公務員です。公証人は元裁判官や元検察官、元事務官など、法律にかかわる業務に長く就いた人たちの中から、法務大臣によって選ばれます。
その職務は、「公正証書の作成」「定款や書類に公的な認証を与える」など。金銭や不動産のやり取りを公的な書類として残します。
公務員ではありますが、公証人は給料制ではなく、依頼人から受け取る手数料から収入を得ています。依頼人が多いと年収は、数千万円ほどになることもあるようです。威圧的な感じがなく親切なので、相談もしやすく感じる方が多いのではないでしょうか。

公証人の役割は?

公証人の職務を難しく言うと、「ある事実の存在や契約等の法律行為の適法性などについて、公権力を根拠に証明・承認する者」です。
公証人には非常に強い権限が与えられていています。公証人が「間違いない」と認めた書類は裁判所を含め、誰もそれを否定できません。公証役場で作成された書類は、それほどの効力を持つということです。そこに公証役場の利用価値があります。

公証役場はどこにあるの?

公証役場は全国に約300ヶ所、日本全国の主要都市に設置されています。公証人の数はおよそ500人、ひとつの公証役場に1~2名ほどの公証人がいます。

費用はどれくらい?

何を依頼するかによります。例えば、契約や法律行為に係る証書作成は額によって手数料が変動します。100万円以下なら5,000円程度です。
公正証書遺言の場合も、財産の総額によって手数料が変わります。8,000万円の財産があると43,000円、10億円を超えるような資産額でなければ10万を超えることはありません。

公証役場でできること

公証人の主な仕事は、公正証書を作成することです。一般の契約書ではトラブルになると「その契約書は偽造だ」「ハンコを押した覚えはない」などと揉めることがあります。
その点、公正証書で作成した契約書であれば、そうした可能性はゼロとなるわけです。

公正証書

公正証書にすれば直ちに強制執行が可能

さらに公正証書は一定の条件の下に執行証書となります。公正証書でないと、1,000万円を受け取る契約書があっても、それを基に相手の財産を差し押さえることはできません。差し押さえたければ裁判を起こし、その執行命令の判決が必要となります。

しかし強制執行認諾約款をつけた公正証書にしておけば、すぐに強制執行できるのです。したがって、公正証書は金銭の貸借によく用いられます。
ただし強制執行の対象となるのは金銭債権のみとされています。ですから賃貸契約を公正証書で作成しても、それにより貸家の立ち退きを強制的に行えるわけではありません。

支払い能力がない人が相手だと、わざわざ公正証書にする意味がない

いくら公正証書で金銭の支払いや不動産売買の契約をしても、相手が金融資産や不動産を持っていない人ならば、どうにもなりません。
取引を行う際に一番重要なことは、騙されないことです。騙されてしまった分を取り戻せるような効力は、公正証書にはありません。
そのことから不動産の契約を公正証書で行うケースはかなり少ないと思われます。もし意味があるとすれば、不動産の賃借人にプレッシャーをかけられることです。

公正証書の作成は信頼関係に不安がない場合には必要ありません。また「素性の知れない人」や「全く資金力のない人」相手でもする意味がありません。つまり、身近な人ではあるが信用が今一つ、というときに有効となります。

離婚をするとき

その意味から、離婚時の慰謝料や養育費の支払いなどに関するものは公正証書の出番です。「5年後の退職金で慰謝料を支払う」「毎月10万円の養育費を払う」などの契約は、その時はその気であったとしても、その後も守られるという保証はありません。
したがって「強制執行認諾条項」付きの離婚公正証書にしておけば、万が一、支払いが滞っても強制執行ができるので安心です。
それだけでなく、公正証書を作成する公証人は、離婚にまつわる離婚条件をしっかり考えてくれます。親権者、養育費、面会交流、年金分割、住まいやローンの処理など、離婚に際して考えなければならないことは山ほどあります。
これらについて、冷静にアドバイスしてくれる公証人は、問題に直面している人にとっては嬉しい存在です。
ちなみに離婚時の公正証書遺言作成費用はその資産額によって変動しますが、事前の相談については無料です。当日受付ができることもありますが、公証人が不在の可能性もあるので、事前予約をおすすめします。

公正証書遺言を作成するとき

最近、公正役場の業務でもっとも脚光を浴びているのは、公正証書遺言でしょう。やはり遺言者が一人で書く自筆証書遺言より、法律のプロである公証人に作成してもらう公正証書遺言の方が、何かと安心です。そして、離婚公正証書と同じく、遺言をのこす上で考えておくべきことをプロの立場から助言してくれます。

【参考記事】
賢い遺言の遺し方~その意味と作成手順~

作成日時が重要な意味を持つ契約書は確定日付を利用する

契約書は作成した日付を、お互いの都合がいいように変えてしまうケースがあります。「今日は10月23日ですが、9月末日の日付で契約を交わしましょう」というように意図的にバックデートすることも少なくありません。

しかし書面の作成日付が重要な意味を持つ場合、バックデートして本当の作成日時より前に作られてしまうと税務署が困る場面も出てきます。
例えば贈与の契約書なら、日付次第で贈与税の申告義務の有無や税額が変わってきます。贈与税の支払いを逃れるために、本当はその年に150万円の贈与を受けたのに、「その年に110万円、翌年に50万円を贈与された」という契約書を作成しているかもしれないのです。そのため税務署がバックデート可能な書面の契約日を信用してくれない可能性があります。

そうなると逆に「間違いなくこの日に契約した」という証明をしたい場合が生じてきます。それを証明してくれるのが確定日付です。

確定日付

公証役場で確定日付の印をもらうのは簡単

確定日付のための公証役場での手続きは非常に簡単です。その書面を公証役場に持ち込み、その当日の日付入りスタンプ(印章)をポンッと押してもらうだけです。
また「書面の契約日と、書面を公証役場に持っていく日は、同日でなければならない」というわけではありません。
書面の契約を交わした数日後に公証役場に行き、確定日付をもらったとしたら、「その確定日付をもらった日には確実にその書面が存在していた」ということの証明になるのです。

その制作年月日が重要な意味を持つ際に、後日のトラブルを防ぐため、その日付を証明するのが確定日付です。これは税理士の実務でも非常に便利なシステムで、よく利用されています。

確定日付の費用は700円 時間もかからずその場で押してもらえる

確定日付の手数料は700円です。公証役場に赴く必要はありますが、その場ですぐに当日日付入りの印章(スタンプ)を押してもらえます。
必ずしもその契約書の作成者自身が行く必要はなく、代理人でもかまいません。この場合でも委任状や身分証の提示、その他書類の提出も必要ないので手軽に利用できます。
節税対策で少しずつ自分の財産を贈与したいと思っている場合も、確定日付の利用は有効です。

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