【農地の土地活用】農地から宅地への転用は難しいって本当?

2020.05.19

日本の農業従事者の人口は減り続けており、「農地を相続したものの、農業をしない」というケースは少なくありません。一方、農地は必ずしも、農地以外の用途に使ったり、自由に売買したりできるわけではないことをご存知でしょうか。

そこで今回は、相続した農地の土地活用を検討するときに知っておきたい、農地の転用についてご紹介します。

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農地の売買や転用には、届出もしくは許可が必要

「農地を売買する」「農地を農地以外の用途で使う(転用)」「農地の貸し借りをする」といった場合、農業委員会や都道府県知事に「届出」を行う、もしくは、「許可」を得る必要があります。これは、農地法という法律によって農地が守られているからです。

安定した食料供給のためには、農地が農地として適切に利用されることが不可欠です。自由な取引や地目変更によって農地が減ってしまうと、国として食料自給率の低下につながりかねないので、農地法が設けられています。なお、ここで言う農地の定義については、こちらの記事をご参照ください。

「届出」でOK?「許可」が必要? 違いとは

売買や転用しようとしている農地が都市計画区域の市街化区域にあれば、届出のみの手続きで済ませられますが、それ以外の地域にある場合は、許可が必要です。市街化区域・市街化調整区域については、以下の記事で詳しく解説しています。

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市街化区域とは、わかりやすくいえば、市街地や住宅が多いエリアのこと。つまり、イメージとしては「街中の住宅地にポツンとある畑」は、届出のみで売買や転用ができ、農村のように盛んに農業が行われている地域にある畑では、許可が必要、といったところです。

届出のみで済ませられれば手続きは比較的簡単ですし、何より「許可が下りず、売買や転用ができない」ということはありません。一方、許可が必要なケースでは、要件を満たさなければ、転用や売買ができないこともあります。

農地の土地活用は「転用」ができるかどうかがポイント

ショベルカーと工事現場
農地を有効に土地活用するには、まず、農地を農地以外の用途で使う「転用」を検討した方が良いケースがほとんどです。

転用せずに「農地のままで売却する」という土地活用方法も可能ですが、実は、あまりおすすめできるものではありません。なぜならば、農地を買える人は限られているので、好条件での売却は難しいことが多いからです。

農地を買えるのは条件を満たす農業従事者のみ

農地を購入できる人は、「農家」または「農業生産法人」で、さらに耕作面積など一定の要件を満たしている場合に限られます。売却後も農地が農地として使われるよう、農地法によってこのように定められているのです。

結果的に「買い手が見つかるまでに時間がかかる」「価格を下げざるを得ない」など、売却では不利になりがちなため、土地活用にあたっては、転用が前提になります。農地が転用できれば原則として、買い手の制限はありませんし、自宅や賃貸物件を建てるのも自由です。

農地の土地活用のキーとなる「転用」ですが、ご説明した通り「市街化調整区域」や「都市計画区域外」にある土地では、許可が必要です。では、転用が認められる土地の具体的な要件を確認しましょう。
ピーナッツ農家の収穫

農地転用でクリアすべき条件「立地基準」と「一般基準」

転用が許可されるためには、以下の「立地基準」と「一般基準」の両方をクリアする必要があります。

立地基準とは

立地基準とは、農地の所在地の状況によって定められた5つの区分のことです。区分ごとに転用の可否が決められています。
農地転用区分の表

(農林水産省のウェブサイトを元に作成)

基本的に、市街地に近い「第2種農地」「第3種農地」以外の転用は困難です。保有している農地の分類は、市区町村の役場の農業委員会に問い合わせると確認できます。

一般基準とは

一般基準とは、転用後の土地が適切に利用されるかを判断するためのガイドラインのようなものです。自治体によっても若干の差がありますが、例えば以下のような項目が含まれます。
農地転用の一般基準
立地基準に適合する場合であっても、一般基準のいずれかを満たさないときは、許可が下りません。

「農地を相続したが、農業はしない」そんな時は

農地をただ所持しているだけでは収益は生まれませんし、固定資産税ばかりがかかるので、得策ではありません。農地を相続したら、土地活用の可能性を検討するため、まずは転用が可能かを確認すると良いでしょう。

また、各都道府県には使わない農地を集め、農地を使いたい農業経営者に提供していく「農地中間管理機構」(通称「農地バンク」)も設置されています。転用が難しく、売却も困難な農地は、このようなシステムを利用するのも選択肢の1つです。

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