底地で起きやすいトラブルについて

2019.01.07

底地,トラブル
相続コンサルタント会社 ニーズ・プラスコラム担当の野呂です。

現存する底地のほとんどは、1991(平成4)年の借地借家法制定よりも前から、相続などで受け継がれてきたもので、時代が進むにつれて、地主さんと借地人さんが顔を合わせるケースは少なくなってきています。

顔を合わせる機会が減った現代では、地主さんと借地人さんとの間で借地をめぐるトラブルが起きたときに解決しにくい状況が生まれやすくなりました。

ここでは、底地で起きやすいトラブルについて、解説いたします。

底地の代表的なトラブル例

1.更新料の支払いに関するトラブル

更新料の支払いについては明確な法整備がされておらず、土地賃貸借契約書に更新料を支払うかどうかの記載がなければ、借地人さんは地主さんに対して更新料を支払わなくてもよいことになっています。それにもかかわらず、借地契約を更新する場合、更新料の支払いを慣習とする地域は多いようです。

更新料の金額は、地域の慣習などによって大きく異なるため、底地周辺の更新料の相場に合わせて更新料の金額を算出しても、借地人さんによっては「非常に高い金額を要求された」と感じる人も多いようです。

また地主さんは、借地人さんから20年や30年もの長い期間で得られる収入をトータルで考えているため、更新料がないのであれば、地代を値上げしてほしいということになります。

こういった背景から、「きちんと更新料を支払ってほしい」と考える地主さんと、「更新料を支払いたくない」と考える借地人さんとの間でトラブルになることがあります。

更新料の支払いのトラブルを避けるには、土地賃貸借契約書の特約として予め定めておくとよいでしょう。

2.地代に関するトラブル

地代の「滞納」の場合

借地契約が成立したら、借地人さんには地主さんに地代を支払う義務が発生しますが、借地人さんが地代を支払わなかった場合、借地契約を解除されてしまう可能性が高まります。

しかし、地代の滞納が1~2回程度であれば、借地契約の解除は認められないケースがほとんどです。数回にわたって地代が滞納され、地主さんと借地人さんとの間に築かれた信頼関係が崩れてしまっていると裁判所が判断すれば、地主さんは借地契約解除が可能です。

地代の「値上げ交渉」の場合

底地周辺の地価が上がって固定資産税の金額よりも地代が低くなってしまった場合など、底地をめぐる事情に何らかの変更が生じれば、地主さんは借地人さんに対して地代の値上げを請求できます。しかし、地代の値上げを希望する地主さんと、現状維持を図りたい借地人さんとの間でトラブルになることがあります。

地主さんが借地人さんに地代の値上げ交渉を持ちかける場合、値上げ理由を説明した計算書を作成するとよいでしょう。

3.借地条件違反(用法違反)

借地条件違反(用法違反)とは、土地賃貸借契約に定めた借地条件に違反する建物を建てた場合や、無断で借地上の建物を増改築した場合などをいいます。現存する底地のほとんどは、1991(平成4)年の借地借家法制定よりも前の、旧借地法と呼ばれる法律のもとで借地契約を結び、相続などで受け継がれてきたものです。

重要なのは、旧借地法下で交わされた土地賃貸借契約の場合、適用される法律は旧借地法となり、新法ではありません。旧借地法では、土地賃貸借契約を交わす際、以下のようなことが契約書に記載されています。

  • 住居か、店舗か、工場か
  • 本建築か、一時使用なのか
  • 堅固(コンクリート)な建物か、非堅固(木造)な建物か

木造家屋を建てる目的で土地を借りながら、実際は鉄筋のビルを建てた場合や、住居目的で借りたはずが、その後店舗を設けてしまった場合などは、借地条件違反(用法違反)に該当します。

承諾なしに建て替えたケース

借地権とは、建物を建てる目的で地主さんから借りた土地に対して、借地人さんに発生する権利です。借地人さんが一定の権利を得たとはいえ、土地の所有権そのものが移転したわけではないので、地主さんの承諾なしに建物を建て替えることは認められません。

トラブルを防ぐ秘訣は、地主さんと借地人さんの間のコミュニケーション不足を解消すること

底地,トラブル

売買契約などの一過性の契約と異なり、借地契約を締結したら、数十年という長期にわたって契約期間が継続することになります。このような場合には、地主さんと借地人さんの信頼関係が重要です。

地主さんと借地人さんが近所に住んでいる場合、道端や地域のイベントなどで会ったら必ず挨拶を交わしましょう。双方がなかなか会えない距離に住んでいれば、年賀状や暑中見舞いのはがきを出すなど、地主さんも借地人さんも信頼関係を築くための努力を怠らないことが大切です。

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