【大家さん必見】家賃滞納から強制退去までの流れを徹底解説

度重なる家賃滞納に、アパート・マンションの管理が大変だとお悩みではないでしょうか。
借主さんの家賃滞納に頭を痛め、立ち退きしてもらいたいとお考えの大家さんに向け、強制退去までの流れや費用などをわかりやすく解説。また家賃滞納を未然に防ぐ方法やいっそのこと賃貸契約を解消してしまいたい場合のやり方も紹介します。
家賃滞納による強制退去への方法

家賃滞納から強制退去までの流れ

事情がどうであれ、大家さんとしては半年、1年と家賃が支払われない状況では困ります。ではどのように対処したらいいのでしょうか。家賃滞納の期間によってやるべき対策がことなりますので、順を追ってご説明します。

1.家賃を支払うように催促する

家賃滞納に気づいたら、まずはいつから支払われていないのか、何ヶ月家賃が滞納されているのかを調べます。調べた上で最初は電話か訪問での家賃催促交渉を試みましょう。

家賃の滞納が続くからといって、いきなり住民に出て行ってもらえるわけではありません。そこに出て行ってもらうだけの理由があるかどうかが重要です。

病気やリストラなど止むを得ない事情であっても、「お金を工面できる予定があるのか」「いつからなら払えそうなのか」を確認します。

2.督促状を送り、保証人にコンタクトをとる

家賃滞納が2週間以上続く場合は督促状にて家賃の支払いを借主さんにお願いします。この時点で、「連絡がとれない」「家にはいるが話し合いに応じない」のであれば、保証人への連絡を並行して行いましょう。

保証人は、家族や近しい方を設定することが大半であるため、保証人を巻き込むことで裁判を起こさずに、早期解決することもあります。保証人も財産の差し押さえはされたくないからです。

3.内容証明郵便にて催告状を送る

電話や訪問による呼びかけにも応じず、督促状を送ってもなお家賃滞納が1ヶ月、2ヶ月と続いた場合、今度は「家賃を支払うように」催告状を送ります。

注意したいのは催告状は必ず内容証明郵便として送付するというところです。内容証明郵便として送れば郵送された証拠を残せます。また、家賃の滞納にも時効は存在しますが、催告を行うことで6ヶ月間時効のカウントをストップできるのです。カウントが止まった6ヶ月の間に賃貸契約している部屋の明け渡し要求、強制退去の裁判を行うことで、5年で消滅してしまう家賃滞納の時効を10年に引き延ばせます。

<参考サイト>
郵便局:内容証明

4.賃貸契約解除を通知する内容証明の送付

3ヵ月分以上の家賃滞納があると、大家と借主間の「信頼関係は破壊」されており、賃貸借契約に違反している判断され、賃貸契約は解除できます。理由が止むを得ない事情であってもそれは同じです。そのような事情で賃貸契約を解除したとしても、その間の家賃を請求する権利は当然残ります。

ここで注意したいのは、あくまでも「3ヵ月分」だということ。家賃が月10万円ならその3ヵ月分、合計30万円以上の滞納がないと「信頼関係が破壊されている」とまではいえません。例えば10万円の家賃全額は支払えないものの「半額の5万円」の入金がある場合は、6ヵ月間経たないと、賃貸契約を解除できるほどの契約違反とはならないのです。

実際に3ヵ月分以上の滞納があったら、内容証明郵便などを利用して、必ず証拠が残る方法で「賃貸契約解除」の旨を通知しましょう。

内容証明を受け取ったのにもかかわらず退去してもらえない場合、「家賃の支払い」「部屋の明け渡し」を求める裁判を検討しなければなりません。裁判の末、最終的には「強制退去」「給与や不動産など財産の差押え」などに進みます。

裁判は、基本的には借主に対して行いますが、保証人に対しても一緒に提起できます。家賃滞納は賃貸契約違反ですから、裁判になれば大家さんの主張が当然認められます。しかし、裁判を起こすとなると時間もお金もかかります。また裁判に勝訴しても、支払い能力のない借主さんから家賃を回収できるとは限らないので慎重に検討してください。

「部屋の明け渡しを拒まれ、次の入居者に入ってもらえない」などの事情がある場合は、家賃回収が見込めず、裁判費用が上回ったとしても、部屋の明け渡しだけを目的として裁判をする大家さんもいらっしゃいます。

5.家賃滞納が3ヶ月以上続くなら裁判へ

裁判所_家賃滞納が3ヶ月以上続いたら裁判を起こし強制退去へ
催告しても家賃の支払いがなく、納得できる事情の説明もなければ、最終的には裁判を起こし、立ち退いてもらわねばなりません。判決が出たにもかかわらず、部屋を明け渡してもらえない場合は、強制執行をして立ち退いていただくことになります。

ただし、大家さんがご自身で立ち退き交渉をしたくない場合は、必ず弁護士に相談してください。大家さんや弁護士以外の人が代理で立ち退き交渉を行うのは非弁行為と見なされ、法律違反となってしまいます。弁護士を雇うともちろん弁護士費用はかかりますが必要経費と割り切りましょう。

裁判を行うには、まず大家さん側が裁判所に訴訟を提起します。原告は大家さん、被告は借主さんですが、場合によっては保証人も一緒に提起できます。

訴えが受理されると、借主側に訴状が送られます。保証人を一緒に提起した場合は、借主と保証人それぞれに訴状が送られます。訴状には裁判期日が記載されていて、その日に裁判が開かれます。

裁判にかかる期間

家賃滞納による裁判の場合、契約違反が明らかなので判決が出るのも早いのですが、借主側が出廷しないような場合、早く判決が出るケースでも3ヵ月はかかります。

通常は半年ほどで判決が出ますが、借主側が争っている場合にはもっとかかることもあります。判決後、控訴されると更に時間を要するでしょう。

家賃滞納が3ヵ月分以上であれば、よほどの事情がない限りは大家さんの訴えが認められ、判決が出てから2週間、不服申し立てがなければ判決が確定。これをもって立ち退きの強制執行を行えるようになります。
訴訟提起が遅くなれば、その分、家賃滞納金額も増えていきます。裁判を起こすと決めたら、粛々と進めることが肝心です。

裁判に関連する費用は判決に拘らず大家さん負担

訴訟を提起するには費用がかかります。訴訟金額にもよりますが、100万円だとすると印紙代が1万円程度、その他に郵送代などとして数千円必要となります。

裁判が行われた場合、どんな判決が出たかに拘らず自分の弁護士費用は大家さんが賄わねばなりません。そのため備えとして、賃貸契約に「借主の契約違反によりトラブルが起こった場合は、借主が大家の分の弁護士費用も負担する」というような特約を付けておく大家さんもいらっしゃいます。

家賃滞納裁判から強制退去のその後

家賃滞納による強制退去裁判を起こしたその後はどうなるのでしょうか。

家賃が回収できないこともある

借主さんや保証人さんに支払い能力があれば、差押えなどで家賃を回収できますが、そもそもお金を持たない人からは回収しようがありません。そうなると大家さんは諦めるしかなくなってしまいます。

前述したように家賃滞納には何もしなかった場合は5年、催告や裁判を行った場合は10年という時効が存在します。つまり、裁判などを行った場合、10年間は家賃支払いの請求を行えるというわけです。諦めずに家賃の請求を行うか否かは大家さん次第です。

強制退去費用は大家さんが立て替えなければならない

強制執行が行われることになると、その費用はいったん大家さんが予納金として立て替えねばなりません。

・強制執行の費用
・荷物の撤去費用
・撤去した荷物の保管費用

これらの費用は、後で借主さんに請求はできますが、先に大家さんが支払います。部屋の広さやモノの量にもよりますが、数十万~百万円程度はかかると思っておいた方がいいでしょう。その費用は、借主さんに支払義務がありますが、回収できるとは限りません。

賃貸トラブルを未然に防ごう

裁判を起こすと、大家さんは多額の費用負担を強いられますし、借主さんとの間にも嫌な気持ちが残ります。他の住民の目も気になります。

一度、トラブルに発展してしまうと、お互いにいいことはありません。では問題が起こる前にやっておくべきことは何でしょうか?

家賃滞納を見逃さない

大家さんが家賃が支払われていないことに気づかず、支払いを督促しなければ、契約は自動更新されてしまいます。

「家賃は勝手に振り込まれてくる」とは思わずに、毎月きちんと支払いがあるかどうかをチェックすることが肝心です。それを怠ったがために、「気づいたら滞納家賃が膨大な額になっていた」というケースは意外と多いのです。

例えば、1ヶ月おきに家賃が振り込まれていると、きちんとチェックしていなければ、気づかないこともあるでしょう。また、どんぶり勘定で通帳を確認していないと、まったく支払われていない事実に何年も気づいていなかったといった事態も起こり得ます。

とくに、大家さんが高齢であったり入院したりして、ご自身で家賃の管理ができない状態にある場合は要注意。ご家族は、どこに通帳があるか、どの銀行に振り込まれているのかも知らず、意図せずほったらかしになっていることがあります。

家賃滞納を見つけたら、すぐに督促を

家賃の滞納があったらすぐに借主に連絡します。大家さんからまったく催告していないと、法律的にも権利を主張しづらいくなりますし、借主も払わないことが当たり前になってしまいます。大家さんが常に目を光らせていると感じさせることで、長期化するトラブルを防げる場合もあるのです。

保証人の経済状況をしっかり確認

いざというときのために保証人の身分はきちんと確認しておきましょう。保証人を二人にする、必ず連帯保証人にするなど、万が一のことを考えておくことが大切です。保証人に支払い能力がなければ、最終的に大家さんが負担するしかなくなってしまいます。

契約書への署名捺印だけでは安心できません。偽造の恐れがあるからです。「保証人本人に電話でその意思を確認する」「保証人の印鑑証明書を提出してもらう」など、保証人となる意思があるのか、本当に本人による署名捺印なのか、確認します。

何か起こってから保証人欄に記載のある人物に連絡し「保証人となった覚えはない」と言われてしまったら、大家さんは保証人に弁済してもらえない可能性が出てきてしまいます。

保証会社をつけることで家賃滞納を防ぐ

賃貸物件を借りるとき、保証人をつけることは必須項目でしたが、最近では連帯保証人をつけるよりも、家賃保証会社へ加入することを必須条件にしている物件も増えてきました。

家賃保証会社とは、借主さんの家賃を保証し家賃が滞納されたときに借主さんの代わりに家賃を立て替える会社のことです。

保証人と違い必ず家賃を回収できるので、家賃保証会社を利用することは大家さんにとってメリットの高い選択といえるでしょう。「入居者の家賃滞納が心配」と思われている大家さんは、こういった家賃保証会社の利用を検討してもいいかもしれません。

アパート経営をやめたい、借家契約を解消したい場合には

空室が目立ってきて、家賃滞納者が出るなどのトラブルも発生しているのであれば、思い切って建物を解体し土地を手放すことを検討してみるのもいいかもしれません。

特にご自身亡きあとに相続人となる予定のお子さんたちが、先祖代々の土地を離れて久しく、愛着を持っての管理ができない場合、古びたマンションやアパートの管理を任せるのは難しいものです。
長年住んでくださった借主の皆さんにご迷惑をおかけする前に、少しずつ準備を進めていけば、お互いが円満にその後を暮らせるはずです。
崩れた壁_アパート経営をやめたい
建物の老朽化などで借主さんの安全を確保できないといった理由があれば、賃貸契約の解除ができることもあります。

立退料の支払いを条件に入れ交渉すれば、正当事由であると認められる可能性は高まります。築数十年で安全性が確保できないほどに古びているのであれば、それなりの金額を借主さんに支払って退去してもらい、土地を売却するのもひとつの手でしょう。

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