相続税対策のつもりが、まさかの失敗? 不動産を活用した節税で陥りがちな3つの落とし穴
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地方都市で、先代から広い土地を受け継いだAさんは、相続税の負担を心配していました。金融機関や不動産会社から勧められたのは「アパートを建てれば節税になりますよ」という提案。
「現金や更地よりも、建物付きの賃貸物件にすれば評価額が下がる」と説明され、相続税対策としてアパート経営をスタートしました。
しかし、完成からわずか3年後。地域の新築物件が増えて入居率は低下し、さらに想定外の修繕費が発生。当初シミュレーションしていた節税効果はほとんど相殺され、むしろ毎月のローン返済が重くのしかかる状況に陥ってしまいました。
実は、こうした「相続税対策のつもりが、結果的に損をする」ケースは全国的にも少なくありません。
節税効果だけに目を奪われ、収益性・維持コスト・特例の適用条件といった前提を十分に検討しないまま進めると、不動産を活用した相続税対策は“諸刃の剣”になり得ます。
本記事では、実際によくある3つの失敗パターンを取り上げ、それぞれ「なぜ起きるのか」「どこに注意すべきか」「どう防ぐのか」を、わかりやすく整理します。
目次
不動産を使った相続税対策とは?

相続税対策の代表格として挙げられるのが「不動産の活用」です。現金や更地に比べて評価額が下がるため、一見すると“やらなきゃ損”に見えます。しかし、その仕組みを正しく理解していないと、思わぬリスクを抱えることになります。
ここでは、まず基本的な節税の構造と、実際の現場で起きやすい“誤解”を整理しましょう。
不動産による相続税対策の基本構造
不動産を相続税対策に用いる最大の理由は、相続税評価額を下げられる点にあります。
現金は100%の評価で課税されますが、土地や建物は「路線価」「固定資産税評価額」などをもとに計算され、時価(実勢価格)よりも低い評価が採用されるためです。
さらに、アパートや貸家を建てることで「貸家建付地」や「借家権割合(※)」といった評価減要素が加わり、課税対象となる財産評価額を大きく下げることができます。
★用語解説:借家権割合(しゃくやけんわりあい)
賃貸住宅に住む人(借主)には、その部屋を使う権利=借家権があります。この権利がある分、オーナー(貸主)は自由に使えないため、建物や土地の評価額を一定割合で減らしてよいという考え方です。通常、この割合は全国一律で30%程度と定められています(地域や物件の種類で変動あり)。
節税効果の“前提条件”を理解することが重要
★節税効果と収益悪化リスクの相殺構造
| プラス要因(節税側) | マイナス要因(運用リスク側) |
|---|---|
| 評価減(貸家建付地・借家権割合) | 空室・修繕・管理費・ローン返済負担 |
| 相続税圧縮効果 | キャッシュフロー悪化・資産流動性の低下 |
| 節税による「一時的な得」 | 維持コストによる「長期的な損」 |
注意したいのが、「評価が下がる=節税になる」とは限らない点です。制度上の節税効果は確かにありますが、それが実際の資産全体のプラスになるかどうかは別問題です。
なぜなら—
- 入居率が低下すれば、収益が減りローン返済が負担になる
- 修繕や管理費用が増えれば、節税以上のコストが発生する
- 「小規模宅地等の特例(※)」や「貸家の評価減(※)」には適用要件がある
といった条件が重なるためです。
「節税額」だけを見て判断してしまうと、制度上は得をしても、実態はマイナスになるという矛盾が生まれます。
ここが、多くの地主さんや不動産オーナーが陥る“最初の落とし穴”です。
★用語解説:小規模宅地等の特例
相続の際、自宅や事業用・賃貸用の土地について、一定の条件を満たすと最大80%まで評価額を減らせる制度です。
ただし、誰が相続するか・住んでいるか・事業を続けるかによって、適用できる/できないが変わるため注意が必要です。
★用語解説:貸家の評価減
アパートやマンションなどの賃貸物件は、入居者に貸している分だけ自由に使えない=評価を下げて良いという考え方から、建物や土地の評価額を一部減らすことができます。
ただし、実際に貸している実態があることが条件で、空室や名義の扱いによっては認められないケースもあります。
よくある誤解:アパートを建てれば自動的に節税になる?
金融機関や建設会社から「アパートを建てれば相続税が下がります」と提案されることがあります。確かに制度上は評価減の対象になりますが、すべてのケースで有効とは限りません。
以下のような条件が揃っていない場合、節税効果が小さくなったり、そもそも特例が使えなかったりするのです。
たとえば—
- 相続人が同居していない場合、小規模宅地の特例が適用できないケース
- 建物が老朽化・空室化しており「実質的な貸付」と見なされない場合
- アパートローンの返済負担が評価減を上回るケース
このように、節税スキームとして成立するには条件が多いのが実情です。にもかかわらず、制度の“表面だけ”を捉えて行動してしまうと、冒頭のAさんのように「思わぬ赤字相続」に陥ることもあります。
相続税対策のつもりが失敗に? よくある3つの落とし穴

相続税対策として不動産を活用すること自体は、決して悪い選択ではありません。しかし「節税になる」と聞いて安易に動くと、思わぬ落とし穴が待っています。
ここでは、実際によくある3つの典型的な失敗例を通じて、何が問題だったのかを整理していきましょう。
落とし穴①:空室リスクで想定外の赤字に
アパート経営による相続税対策で最も多いのが、「空室リスクを過小評価した結果、キャッシュフローが崩れる」パターンです。
郊外の住宅地にアパートを建てたBさん(60代・地主)。相続税評価を下げるために1億円のローンを組んでアパートを新築しました。
当初は「10室中9室が埋まる想定」で試算していましたが、実際は新築ラッシュと立地条件の影響で稼働率70%以下に。ローン返済と管理費、固定資産税を差し引くと、年間のキャッシュフローは赤字に転落しました。
なぜ失敗したのか?
- 節税効果の「数字」だけで意思決定していた
- 入居需要・競合状況の調査が甘かった
- 収益悪化時のシミュレーション(空室率・修繕費)を行っていなかった
対策のポイント
空室リスクは「避ける」よりも「織り込む」ことが重要です。
- 立地・周辺競合を調べ、稼働率80%でも黒字を維持できる設計にする
- サブリース契約(家賃保証)に頼りすぎず、実需に即した間取り・賃料設定を検討する
- 節税効果よりも長期的な収益性(家賃収入-支出)を最優先に判断する
落とし穴②:修繕・維持コストの見落とし
「建てた後」の費用を過小評価するケースも多く見られます。築10年を超えると、屋根や外壁、給排水設備などの修繕が必要になり、一度の工事で数百万円単位の支出が発生することもあります。
節税目的で木造アパートを建てたCさんの場合。ローン返済を終える前に、外壁塗装・配管修繕で600万円の出費が発生。これが年の収支を一気に圧迫し、節税で得た効果をほぼ相殺してしまいました。
なぜ失敗したのか?
- 節税計算に「維持費・修繕費」が含まれていなかった
- 築年数に応じた修繕サイクルを把握していなかった
- 賃貸経営の知識を持たず、業者任せで進めていた
対策のポイント
空室リスクは「避ける」よりも「織り込む」ことが重要です。
- 節税シミュレーションをする際は、30年間の維持管理費を見積もる
- 修繕積立金を設定し、キャッシュフロー計画に反映させる
- 節税だけでなく、収益事業として持続可能かを検証する
落とし穴③:特例が適用されず、節税にならない
「特例が使えると思っていたのに、実際には適用されなかった」ケースもあります。
なぜ失敗したのか?
- 制度の適用条件を確認せずに行動していた
- 「誰が住むか」「どの時点で貸しているか」などの形式要件を満たしていなかった
- 専門家に相談せず、自分の判断で進めていた
対策のポイント
空室リスクは「避ける」よりも「織り込む」ことが重要です。
- 不動産の評価や特例は、家族構成や居住実態で変わるため、事前確認が不可欠
- 税理士・不動産鑑定士などの専門家と連携し、「相続時点で有効か」を検証する
- 相続発生前に、適用条件の再チェックと名義・登記整理を行う
★用語解説:形式要件(けいしきようけん)
法律や制度で定められた「手続き上の条件」。実質的に貸していても、登記や契約の状態が要件を満たしていなければ特例が適用されない場合があります。
3つの落とし穴から見える本質的なリスク
相続税対策として不動産を活用する場合、制度上の節税効果よりも、実際の運用リスクを重視することが重要です。
特に以下の3点を押さえることで、多くの失敗は事前に防ぐことができます。
- 空室リスク:需要調査と稼働率シミュレーションの不足
- 修繕・維持費負担:長期的なコストの見積もり漏れ
- 特例適用外リスク:制度条件や名義管理の確認不足
最終的な判断基準は「節税額」ではなく、長期的なキャッシュフローと家族の将来設計。
税務上の数字だけでなく、“生活と資産の持続性”という視点を持つことが成功への近道です。
★不動産相続税対策の「3つの落とし穴」一覧
| 落とし穴 | 主な原因 | 防止策 |
|---|---|---|
| 空室リスク | 需要予測不足・立地選定ミス | 稼働率80%想定でも黒字設計に |
| 修繕費負担 | 維持コスト見積もり不足 | 長期修繕計画・積立設定 |
| 特例適用外 | 条件確認ミス | 専門家確認・名義整理 |
実際にあった“失敗事例”から学ぶポイント

ここでは、実際に起きた事例をもとに、どのようにして相続税対策が“失敗”に変わってしまったのかを見ていきます。単なる制度上の知識だけではなく、「なぜその判断をしてしまったのか」「どのように防げたのか」を、現場のリアルな事例を通して解説していきます。
事例①:節税目的で建てたアパートが「負の資産」に
神奈川県郊外に住むEさんは、退職後の相続税対策として金融機関の紹介でアパート建設を提案されました。
- 「アパートを建てれば相続税が3,000万円下がる」
- 「家賃収入でローンも楽々返済できる」
という営業トークを信じ、約1億2,000万円を借り入れて新築アパートを建設。しかし、完成から2年後、事態は暗転します。
近隣に同様の物件が乱立した結果、稼働率は想定の9割から6割台に急落。空室の原状回復費や広告料、さらには200万円の一時的な水道トラブル修繕費など、想定外の出費がかさみました。
当初「節税できたから安心」と思っていたEさんでしたが、「家賃収入よりもローンの返済と修繕費の方が重い」と実感。結果的に節税どころか、毎年数十万円の赤字経営に転落してしまいました。
「節税って、こういうリスクまでは誰も教えてくれなかったんです……」と、Eさんは計画の甘さとリスク説明の不足を後悔しています。
失敗の原因は?
- 節税額という“数字のメリット”だけで意思決定していた
- 入居需要の実調査をせず、立地の競合分析を軽視した
- 収益が落ち込んだ際のキャッシュフロー悪化リスクを想定していなかった
事例からの学び
相続税対策の真の目的は、節税額の最大化ではなく、資産の安定運用にあります。節税は結果であって、目的ではありません。
「建てること」がゴールではなく、相続後も持ち続けられる不動産であるかどうかを判断軸にすることが重要です。
事例②:生前贈与で税負担が逆に増えたケース
Fさん(70代)は、「早めの相続対策」として、銀行の助言で毎年子ども2人に110万円ずつ現金を贈与していました。しかし、相続の全体像や複雑なルールを十分に理解していませんでした。
贈与開始から5年後、Fさんが体調を崩し、贈与から3年以内に相続が発生。この結果、過去3年間の贈与額が「持ち戻し課税」の対象となり、当初の想定よりも相続税が約600万円も増加してしまいました。
さらに、以前不動産の名義を贈与した際に「相続時精算課税制度」を適用していたため、その不動産の評価額も贈与時のまま引き継がれ、節税効果はゼロという皮肉な結果に。
Fさんの家族は、「子どもに少しでも楽をさせたかったのに、逆に負担をかけてしまった」と、知識不足による誤った対策を後悔しています。
失敗の原因は?
- 贈与と相続の税制を混同していた
- 「持ち戻し課税」などのタイムラインを理解していなかった
- 手続き・制度の確認を専門家に相談しなかった
事例からの学び
生前贈与はタイミングと制度理解がすべてです。特に「相続開始前3年ルール」や「贈与の記録・目的の明確化」を怠ると、せっかくの節税努力が逆効果になりかねません。贈与を始める際は、相続全体の設計図を描いた上で戦略的に実行することが大切です。
★用語解説:持ち戻し課税(もちもどしかぜい)
贈与から3年以内(※)に相続が発生した場合、その贈与分を相続財産に戻して再計算する仕組み。「生前に渡しておけば節税できる」と思い込むと、結果的に相続税の対象になるため要注意です。
※なお、令和6年1月1日以降の贈与については、この期間が段階的に7年に延長されるため、より早期の対策が不可欠です
事例③:小規模宅地等の特例を使えなかった相続
東京都に自宅と賃貸マンションを所有していたGさんは、「息子に自宅を継がせる前提なら特例で評価が下がる」と考え、節税プランを組んでいました。
しかし、相続が発生する数年前に息子は結婚を機に別居。そのまま同居実態がない状態で相続が発生し、「同居親族」要件を満たさず特例の適用外に。税務署からの指摘で初めて気づき、最終的に2,000万円以上の相続税増額となりました。
「名義も同じだし、当然使えるものだと思っていた」—Gさんのご家族の言葉です。
失敗の原因は?
- 「同居」「居住」「事業継続」などの要件を正確に把握していなかった
- 相続前に居住実態や登記の整理を怠った
- 税理士への確認を後回しにした
事例からの学び
特例は「申告すれば自動的に使える制度」ではありません。相続発生の時点で条件を満たしているかが重要です。
事例に共通する失敗の構造
3つの事例に共通するのは、いずれも「制度理解の浅さ」と「行動の早さ」。
相続税対策は、単なる節税スキームではなく、家族全体の資産設計プロジェクトです。判断を急がず、専門家と一緒に“未来の相続時点”を想定して設計を行うことが、結果的に最も効果的な節税になります。
失敗を防ぐための3つの対策

ここまで見てきたように、不動産による相続税対策は「仕組み」よりも「運用」が肝心です。節税の理屈を理解すること以上に、失敗を未然に防ぐための実践的な工夫が求められます。
対策①:専門家と早めに連携し、“相続時点”をシミュレーションする
相続税対策の失敗は、ほとんどが「思い込み」や「手続きミス」から生まれます。これを防ぐ最も確実な方法は、相続が発生する前に専門家チームを組むことです。
税理士・不動産鑑定士・司法書士など、それぞれの分野で役割が異なります。特に税理士は「税制適用の可否」、不動産鑑定士は「評価の妥当性」、司法書士は「登記整備」といった形で、相続の“どのタイミングで、どの手続きをどう行うか”を整理してくれます。
相続税は「発生時点」での評価・実態がすべてです。つまり、相続発生数年前から逆算して設計しておく必要があります。
具体的な行動例
- 相続予定地の評価・特例適用可否チェックを早期に依頼
- 不動産の名義・登記を最新の実態と一致させる
- 家族全員で相続方針を共有し、想定トラブルを洗い出す
「知っている」から「実際に動く」へ一歩踏み出すことで、制度理解だけでは得られない“具体的な備え”が可能になります。特に、複数の専門家に相談して情報を整理するだけでも、
「うちは今どこにリスクがあるのか」が可視化され、対策の方向性が見えやすくなります。
対策②:「節税効果」ではなく「キャッシュフロー」で判断する
専門家との連携で「制度的な安心」が得られたら、次は数字の中身をどう見るかです。多くの地主さんが誤解しがちなのが、「節税額が大きいほど得になる」という考え方。
実際には、節税効果と実際の収支は別問題です。どれだけ税額が下がっても、手元に現金が残らなければ意味がありません。
たとえば、アパート建設で1,000万円の節税をしても、空室・修繕・ローン返済で毎年200万円の赤字が出れば、5年で1,000万円の損失。つまり、節税が実質マイナスになる構造です。
★用語解説:キャッシュフロー
事業や資産運用で「実際に手元に残るお金の流れ」を指します。損益計算書の利益とは違い、現金収入と支出の動きを把握することで、実態の資金状況を明確にできます。
このように、「節税効果」という“静的な数字”ではなく、キャッシュフローという“動的な実態”を基準に判断することが重要です。特に、長期の視点で見たときに黒字を維持できるかどうかが、対策の成否を分けます。
チェックポイント
- 節税効果だけでなく、年単位の現金収支を算出
- ローン・固定資産税・修繕費を含めた30年収支表を作成
- 「収益性が低くても相続税は下がる」物件には要注意
キャッシュフローを意識した設計は、次に紹介する「将来設計」とも密接に関係しています。
対策③:「節税ありき」ではなく「将来設計ありき」で考える
ここまでで「専門家との連携」と「キャッシュフローの見える化」という2つの視点を押さえました。最後のステップは、それらを統合して“将来を見据えた資産設計”に落とし込むことです。
不動産を使った相続税対策は、節税手段ではなく資産承継の設計ツールと考えるのが本質です。たとえば、「どの資産を誰が引き継ぐか」「その後の管理・維持は誰が担うか」を先に設計し、
その上で節税スキームを選ぶ―この順序が理想です。
注意!よくある誤り
- 「節税のためにアパートを建てる」
- 「建てたあとに誰が管理するかを決める」
この順序は逆です。相続後の維持可能性と分割のしやすさを優先しましょう。
相続後の維持を見据えた「将来設計」を行うことで、税金対策・資産管理・家族関係をすべてバランスよく整えることができます。
「将来設計」でおさえるべきポイント
- 家族ごとに「どんな資産を残したいか」を明確に
- 節税と同時に、資産の活用・分割・維持計画を設計
- “現金・不動産・事業”をバランスよく組み合わせる
この「将来設計ありき」の発想を持つことで、節税対策は単なる“制度テクニック”ではなく、家族の将来を守るための長期戦略へと進化します。
★用語解説:資産承継設計(しさんしょうけいせっけい)
相続税の計算にとどまらず、誰に・どの資産を・どの形で引き継ぐかを事前に設計する考え方。
税制・法務・家族関係をトータルで見通すことで、節税だけでなく“もめない相続”にもつながります。
失敗を防ぐ3つの視点を持つ
不動産による相続税対策の成否を分けるのは、「誰に相談し」「何を基準に判断し」「どんな順序で実行するか」です。
3つの視点をまとめると—
- 専門家連携で“時点”を設計する
- キャッシュフローを基準に意思決定する
- 節税ではなく将来設計を軸に考える
この3点を意識するだけで、失敗リスクの大半は防げます。節税は“点”の話ですが、相続は“線”で考えるもの。
家族の将来を見据え、長期的に「守り続けられる資産構成」を描くことが、真の意味での相続税対策といえるでしょう。
★【チェックリスト】不動産相続税対策で失敗を防ぐための3つの視点
本記事で紹介した対策を「誰と」「何を基準に」「どんな順序で」実践するかを整理したものです。
この3視点を意識して行動に落とし込むことで、節税効果に頼らない“持続的な資産設計”が実現します。
| 観点 | 失敗を防ぐための行動 | 確認のポイント |
|---|---|---|
| 専門家連携 | 税理士・不動産鑑定士・司法書士へ早期相談 | 相続時点の評価・名義・登記状況を共有 |
| 判断基準 | キャッシュフローを軸に意思決定 | 30年収支・ローン・修繕費を考慮 |
不動産の相続・活用でよくある質問(FAQ)

相続や不動産活用を検討する中で、「何から始めればいいのか」「本当に節税になるのか」など、地主さんやオーナーの方から寄せられる質問は数多くあります。
ここでは、特に相談の多い5つの論点を取り上げ、判断のヒントとなるポイントを整理しました。
Q1. 不動産を使えば、必ず相続税を減らせますか?
【回答】
いいえ。すべてのケースで節税になるわけではありません。節税効果は、土地の立地・利用状況・借入金額・相続人の構成などにより異なります。
制度上は評価額を下げられても、空室や修繕費でキャッシュフローが悪化すれば実質的に損になることも。「節税額」だけでなく、維持コストと将来の収益性を含めて判断することが大切です。
Q2. 「小規模宅地等の特例」や「貸家の評価減」は、どうすれば使えますか?
【回答】
これらの特例は、一定の条件を満たした場合にのみ適用されます。たとえば、小規模宅地等の特例は「同居親族」や「事業継続」が要件です。
また、貸家の評価減は「実際に貸している実態」が必要です。適用可否は相続発生時点の状況で判断されるため、早い段階で税理士に確認しておくのが確実です。
Q3. アパート建設による相続税対策は、今でも有効ですか?
【回答】
条件次第では有効ですが、かつてほど“万能な節税策”ではありません。土地活用が進み、競合や空室率の上昇が全国的に問題化しています。
アパート建設を検討する場合は、相続税評価の効果だけでなく、地域の需要・賃料相場・30年後の維持コストまでシミュレーションする必要があります。
Q4. 節税対策はいつから始めればいいですか?
【回答】
理想的には、相続が発生する5〜10年前から準備を始めるのが望ましいです。税制や家族構成は時間とともに変わるため、「思い立った時が最適なスタート時期」といえます。
特例適用や登記整理などは時間がかかるため、早めに専門家へ相談して計画を立てることが大切です。
Q5. 誰に相談するのが正解ですか?
【回答】
相続税対策は、ひとりの専門家だけでは完結しません。税金は税理士、不動産評価は不動産鑑定士、登記や相続手続きは司法書士が担当領域です。
理想は、これらの専門家が連携して“総合的に”アドバイスしてくれるチームを持つこと。特に不動産を中心にした相続では、税務・法務・収益の3視点を横断的に見ることが成功の鍵です。
まとめ:不動産による相続税対策は「節税ありき」ではなく「将来設計ありき」で考える

不動産を使った相続税対策は、単なる「税金を減らすための手段」ではなく、家族の将来を見据えた資産設計の一環として考えるべきです。
節税の数字だけを追うと、空室・修繕費・特例の適用漏れなど、思わぬリスクに直面します。しかし、早い段階で専門家と連携し、資産の全体像やキャッシュフローを整理すれば、無理のない対策が可能です。
大切なのは、「どのくらい税金を減らすか」よりも、「どのように資産を残すか」という視点。
節税効果はその結果として生まれるものであり、目的ではありません。将来の相続時点で家族が安心して資産を受け継ぎ、維持できる構造を作ることこそ、本当の意味での相続税対策です。
相続は一度きりの出来事ですが、備えは今からでも始められます。節税という“点”ではなく、人生と家族をつなぐ“線”として資産を設計する。その視点を持つことが、結果的にもっとも確実で、後悔のない選択につながるはずです。
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