更新しないときの「正当事由」について

2018.09.18

正当事由
相続コンサルタント会社 ニーズ・プラスコラム担当の野呂です。

土地賃貸借契約が期間満了を迎えるとき、地主さんが契約更新を何らかの事情で見送りたいと考えたとします。
借地人さんに土地を明け渡してもらうためには「正当事由(せいとうじゆう)」が必要です。とはいえ、この正当事由というものはなかなか認められないのが実情です。地主さんの方に100%正当事由があるケースはほとんどなく、それを補完するために借地人さんに支払う財産上の給付(立退料)も、借地人さんが受け取りを拒否してしまうと、契約更新となってしまいます。

そこで今回は、借地借家法における「正当事由」の定義や判断基準について、ご説明します。

正当事由とは?

借地借家法における「正当事由」とは、土地賃貸借契約期間が満了を迎え、更新を見送る旨の申し出をするときに必要となる、「理由」のことです。つまり、借地人さんが地主さんに対して、土地を返してもらうのが当然だと判断されるほどの事情を指します。

正当事由は、借地法(旧法)と借地借家法(新法)で認められています。借地法では「地主さんが土地を利用したいとき」と正当事由が限定的なのに対して、借地借家法では正当事由の内容にもう少し踏み込んで明文化されています。

借地法(旧法)と借地借家法(新法)との条文の比較

借地法(旧法)

条文には、「土地の所有者(地主さん)が土地を使いたいときに、遅滞なく更新拒絶の意思を述べ」たときに認められる、とあります。また、建物が借地の上にあるときも、第4条で定めた正当事由があり、決められた期限までに地主さんが借地人さんに異議を述べればよい、と定められています。逆に、それ以外の正当事由を認めていません。
関連する条文の内容は下記のとおりです。

借地法(旧法) 
第4条
土地所有者力自ラ土地ヲ使用スルコトヲ必要トスル場合其ノ他正当ノ事由アル場合二於テ遅滞ナク異議ヲ述ヘタルトキハ此ノ限二在ラス
第6条
 前項ノ場合二於テ建物アルトキハ土地所有者ハ第4条第1項但書二規定スル事由アルニ非サレハ異議ヲ述フルコトヲ得ス

借地借家法(新法)

借地法(旧法)の事由に加え、どのような場合であれば正当事由が認められるかを、借地借家法では具体的に条文で示しています。
詳しい内容は下記のとおりです。

  • 地主さんが自分で土地を使いたいとき
  • 土地賃貸借契約を結んだときの状況と、実際の借地の利用状況を比べたとき、明らかに変わっていると認められたとき
  • 地主さんが借地人さんに、立退料の支払いや代替土地を提供(財産上の給付)したとき

実際の条文内容は下記になります。

 

借地借家法 第6条
異議は、借地権設定者(地主さん)及び借地権者(借地人さん。転借地権者を含む)が土地の使用を必要とする事情のほか、借地に関する従前の経過及び土地の利用状況並びに借地権設定者が土地の明渡しの条件として又は土地の明渡しと引換えに借地権者に対して財産上の給付をする旨の申出をした場合におけるその申出を考慮して、正当の事由があると認められる場合でなければ、述べることができない。

 

参考記事:借地借家法(新法)について

正当事由が認められるには、高いハードルがある

下記の図は、土地の賃貸借契約期間が満了を迎えた後、実際に正当事由が認められるまでのフローをまとめたものです。
正当事由正当事由

上記の画像では地主さん側、借地人さん側の正当事由の判断基準を記載しましたが、これらはあくまで今まであった実際の例を挙げたものです。
底地の契約更新について、弊社のような底地不動産の専門家が相談をお受けした場合や、裁判に発展してしまった場合は、地主さん側と借地人さん側双方の事情を、法律やこれまでの事例などと照らし合わせたうえで、正当事由を認めるかどうかの判断を下します。

具体的に正当事由であると認められるかどうかは、ケースごとで異なるため、実際の判断にあたっては、やはり専門家に相談されることをおすすめします。

 

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