【知らないと損】ご存知ですか?「相続空き家の3,000万円特別控除」の活用法!

「相続空き家の3,000万円特別控除」の活用法
現在日本では「空き家・空き地」の解消が大きな課題となっています。

国土交通省の調査資料によると、空き家の総数はこの20年で1.8倍(448万戸→820万戸)に増加。その内訳は「賃貸用/売却用の住宅」等を除いた「その他の住宅」(いわゆる「その他空き家」)が、この20年で2.1倍(149万戸→318万戸)に増加しています。

こうした空き家が放置され、周辺の生活環境への悪影響を未然に防ぐ観点から、空き家の最大の要因である「相続」に由来する古い空き家の有効活用を促進するため、空き家の売却にかかわる法令が整備されてきました。

本コラムでは、空き家解消にむけた法令の一つである「相続空き家の3,000万円特別控除」の活用法について解説します。相続した空き家があり、売却を検討する方には必須の内容です。ぜひ最後まで御覧ください。

相続空き家の3,000万円特別控除の特例とは

相続空き家の3,000万円特別控除の特例
亡くなった人が住んでいた自宅を相続した人が空き家もしくは敷地を売却した際に受けられる特例です。

相続で空き家を引き継いだ方が、その空き家を売却した際に得た利益(譲渡所得)から3,000万円を控除が可能となります。

この制度は2016年度の税制改正によって作られた特例(特別の場合に適用される法令)です。正式名称は「被相続人の居住用財産に係る譲渡所得の特別控除の特例」、通称「空き家特例/相続空き家の3,000万円特別控除」とよばれています。

この特例を利用することで、空き家状態の実家を売却する際、かなり大きな節税効果が期待できるので積極的に活用したいところです。

計算事例:相続空き家の3,000万円特別控除の節税効果は?

それでは、実際の計算事例をみながら「相続空き家の3,000万円特別控除」の節税効果を確認してみましょう。

まず、前提として不動産を売却し利益が出ると(この利益を「譲渡所得」をいいます)、その利益に対して税金がかかります。このときにかかる税金を「譲渡所得税」です。

譲渡所得税の計算式は以下の通りです。

◆譲渡所得税の計算式
1)譲渡所得(売却益)=譲渡価格(売却価格/収入価格)-必要経費(取得費+譲渡費用)-特別控除3,000万円
2)課税所得(利益)✕税率20.315%=納める税金
※譲渡所得=課税所得

◆用語解説
譲渡所得:不動産を売却したときの利益
譲渡価額(収入金額):不動産の売却価格
取得費:不動産を購入した当時の費用(例:購入時の売買価格、売買仲介手数料、取得税や登録免許税など)
譲渡費用:今回の売却で生じる諸経費(仲介手数料など/売買仲介手数料、土地測量などの、売るために要した費用)
税率:長期譲渡税率(5年超保有していたとき)に復興特別所得税が加算された税

相続空き家の3,000万円特別控除の特例_図解

◆事例
・売買価格:8,000万円
・取得費:不明のため概算。概算取得費400万円(売買価格8,000万円×5%)
※取得費用がわからない場合は、概算法を使用する。概算法は譲渡収入金額(売却金額)✕5%で取得費用を算出する。
・譲渡費用:仲介手数料 約270万円(売買価格8,000万円×3%+6万円+消費税)

●特例を利用しない場合
売買価格8,000万円−(400万円+270万円)=7,330万円
7,330万円×20.315%=約1,489万円

●特例を利用した場合
売買価格8,000万円−(250万円+170万円+特例控除3,000万円)=4,330万円
4,330万円×20.315%=約880万円

補足:悪魔の5%ルール

譲渡所得を算出するためには取得費を計算しなければなりません。取得費の計算には、相続した空き家を購入した当時の売買契約書や領収書等が必要です。

ただ実際のところ、空き家購入時の領収書を探すのは難しいのも事実です。このように取得費が不明な場合は、「売却金額の5%」を取得費とする「5%ルール(概算法)」が適用されます。

取得費を「売上金額の5%」で概算すると、実際の取得費より低い見積もりとなるため、その分多く税金がかかってしまいます。「5%ルール(概算法)」が悪魔の5%ルールと言われる所以は、このように支払う税金が多くなるためです。

相続空き家の3,000万円特別控除の特例の適用要件

次に相続空き家の3,000万円特別控除特例の適用条件について見ていきましょう。

適用要件を大別すると以下2点の要件となり、すべて満たす必要があります。
1)空き家の要件
2)売却時の要件

それでは空き家の要件から詳しく説明していきます。

1:相続した空き家の適用要件

空き家の適用要件は以下4点です。

1-1:空き家だけでなく土地も相続で取得した
1-2:1981(昭和56)年5月31日以前に建築された
1-3:亡くなった人が相続開始まで住んでいた
1-4:相続開始から売却までずっと空き家だった

1-1:空き家だけでなく土地も相続で取得した

特例が適用されるためには、空き家だけではなく土地も相続で取得していることが必要です。例えば空き家は相続したが、土地に関しては生前贈与により取得していたケースは要件を満たせません。

1-2:1981(昭和56)年5月31日以前に建築された

特例の対象は、1981(昭和56)年5月31日以前に建築された建物および敷地のみです。

そもそも本特例は、1981年5月31日以前の旧耐震基準で建築された空き家を、少しでも減らすことを目的に設立された背景があります。この基準日は耐震基準の見直しがあった年です。1981年(昭和56年)5月31日以前を旧耐震、それ以降を新耐震の建物としています。

以上の背景から、耐震性が低い=旧耐震=昭和56年5月31日以前の建物として、この要件が加えられているのです。

なお、旧耐震基準で建てられた建物をそのまま売却しても特例は利用できません。特例の適用を受けるためには、耐震補強を行うか、取り壊して更地にして売却する必要があります。

◆補足説明::建築年月日はどのように確認する?
建物登記簿に記載されている建築年月日が昭和56年以降であっても、念のため「建築確認通知書」で建築年月日を確認しましょう。「建築確認通知書」の日付が昭和56年5月31日以前であれば、旧耐震として特例適用できる可能性があります。

1-3:亡くなった人が自宅に相続開始まで一人で住んでいた

亡くなった人が相続前まで一人で暮らしていた自宅であることが条件となります。

例えば親が子の家や賃貸物件に入居している場合(子や親族などが親と同居していたりする場合)は、特例の適用対象外です。この場合、親が自宅に一人で住んでいないとみなされてしまい要件を満たしません。

この特例は、相続によって取得したものの空き家になってしまった住宅や土地の売却を促進するためのものです。親が子の家や賃貸物件に入居している場合は、そもそも特例の主旨から外れるため適用されないのです。

なお、相続開始まで亡くなった人が自宅で一人暮らししていたことを証明するには「被相続人居住用家屋等確認書」や被相続人(亡くなった人)の住民票、電気ガスの閉栓証明書などが必要となります。

1-4:相続開始から売却までずっと空き家だった

相続人が一度でも相続した建物に住んだ場合や他人に貸しだした場合も、特例が利用できません。

空き家を相続してしまうと「早く活用しないと」と焦ってしまいがち。ただ一度でも空き家を活用してしまうと、特例を適用できなくなる点に注意が必要です。

また、相続してから売却まで引き続き空き家であったことを公的に証明するために、以下の書類を求められます。

  • 「被相続人居住用家屋等確認書」(最寄りの役所で交付申請に入手する)
  • 電気、ガスの閉栓証明書や、水道の使用廃止届出書など

2:相続した空き家の売却時の要件

次に空き家の売却時の要件を見てみましょう。

売却時の要件は以下4点です。

2-1:相続してから3年後の年末までに売却
2-2:第三者に売却
2-3:売却金額は1億円以下
2-4:耐震リフォーム済もしくは建物を取り壊した条件で売却

2-1:相続してから3年後の年末までに売却

売却時期の条件として、相続開始から3年後の年末までに売却しなければなりません。

この要件には適用期限があり、令和9年(2027年)12月31日までに売却が必要です。
仮に令和8年に空き家を相続した場合でも、3年後以内ではなく、令和9年12月31日までに売却しなければ、特例の適用を受けられないので注意しましょう。

※適用期限の延長:従来の要件は令和5年(2023年)12月31日まででしたが、令和5年税制改正により期間が4年間延長されました。

2-2:第三者に売却

売却の対象は第三者に売却する必要があります。配偶者や一定の親族、同族会社等の特別な関係にあたる人物や会社に売却した場合は特例の適用外です。

空き家を親戚に売却した場合などは、特例が適用されないので注意しましょう。

2-3:売却金額は1億円以下

相続した空き家および敷地の売却金額にも要件があり、売約代金が1億円以上の場合は特例を利用できません。

売却が複数回にわたる場合、あるいは複数の相続人で売却する場合は、それぞれの売却金額を合算して1億円を超えるかどうか判定します。

2-4:耐震リフォーム済もしくは建物を取り壊した条件で売却

耐震リフォーム済もしくは建物を取り壊した条件で売却
空き家を売却する際は、旧耐震基準の建物をそのままの状態で売却するのではなく、耐震リフォーム、あるいは空き家を取り壊して更地にした状態で売却しなければなりません。

耐震リフォームする場合は、専門家による耐震診断のうえ耐震補強工事をします。解体し更地にする場合は、対象の建物(空き家)を買主が使わないケースが該当するでしょう。

令和5年度税制改正では、特例を受けるためには譲渡の日の属する翌年2月15日までに、耐震補強や建物解体をする時期まで規定されました。

確実に特例を適用するには、買主さんに物件を引き渡す前に耐震補強や解体をしておくほうがよいでしょう。

以上、相続空き家の3,000万円特別控除の特例を受けるには様々な要件があります。

すべてを満たすには高いハードルがあるのは事実ですが、節税効果が高い特例です。相続した空き家を売却する際には、これらの適用要件を確認しましょう。

相続空き家の3,000万円特別控除の特例を利用する方法

最後に特例利用時の手続き、譲渡所得税申告方法について解説します。

特例の利用により納税額が0円であっても、必ず「確定申告が必要」ですので注意してください。(特例の申請は確定申告と同時に行います)

特例の申告方法、および必要書類は以下の通りです。

●申告先:住所地を管轄する税務署
●申告時期:空き家および敷地を売却した翌年の2月16日から3月15日の間
●必要書類:
1)確定申告書B
2)譲渡所得の内訳書
3)物件の登記事項証明書
4)売却代金が1億円以下とわかる書類(売買契約書の写しなど)
5)耐震基準適合証明書(土地のみの売却では不要)
6)被相続人居住用家屋等確認書

「6)被相続人居住用家屋等確認書」は、特例の要件である「亡くなる直前まで故人が1人で住んでいて今は空き家になっている」ことを証明するために必要です。空き家がある市区町村役場で申請、取得するしてください。

まとめ:空き家問題の解消へ向けて

以上、今回は「相続空き家の3,000万円特別控除」の特例について解説しました。

本特例を活用するための要件(条件)が多くありますが、節税効果が高いので十分検討する価値はあるのではないでしょうか。

「空き家・空き地」問題の解消は、国も本腰をあげて取り組んでいます。相続したものの、そのまま空き家で放置している不動産があれば、ぜひ「相続空き家の3,000万円特別控除」の活用を検討してみてください。
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