相続税対策として有効!生前贈与の手順と注意点

2019.01.28

生前贈与

相続コンサルタント会社 ニーズ・プラスコラム担当の野呂です。

自分の生きているうち(生前)に、配偶者や子供などに財産を譲り渡す(贈与する)ことを「生前贈与」といいます。

生前贈与をすると、受け取った側に「贈与税」が発生しますが、死後の相続時に発生する相続税の額が抑えられ、相続税を収めるのに必要な納税資金を事前に確保できる、というメリットがあります。

今回は、生前贈与の手順と注意点について解説いたします。

民法における「贈与」の定義

贈与とは、簡単に言うとプレゼントをすることですが、民法では「贈与契約」のことを指します。具体的には、「贈与は、当事者の一方が自己の財産を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方が受諾をすることによって、その効力を生ずる」(民法第549条)と規定されています。

贈与契約は、財産をあげたい人が「自分の持っている財産をタダであなたにプレゼントするよ」と申し出て、相手が「では、いただきます」と返したときに初めて成立するものです。

生前贈与の流れ

1. 贈与財産の選定

贈与者は、自身の贈与後の生活費や贈与税対策を考慮したうえで、「どの財産を」「誰に」「どのくらい」贈与するかを決定します。

生前贈与で肝心なのは、「贈与すると、自分の財産が減る」ということを事前によく考慮することです。

月々の生活費や収入を確認したうえで、贈与額を慎重に決めましょう。

2. 贈与者が、贈与したい人(受贈者)に対して申し入れる

自分の財産をあげる人を「贈与者」、もらう人を「受贈者」(じゅぞうしゃ)といいます。基本的に生前贈与は、贈与者側が受贈者に対して申し入れをします。

3. 受贈者は申入れに対して返答する

(1)承諾する場合、贈与者と受贈者との間で贈与契約を書面で交わす

贈与契約は口頭(口約束)でも成立しますが、受贈者が贈与を承諾する場合、贈与契約書を作成して贈与契約を結びます。

贈与契約書を作成することで、贈与者と受贈者の意思を明確にし、トラブルを防止する効果があります。

なぜ贈与の証拠を作っておいた方がいいのかというと、贈与したという事実を税務署に認めてもらうためには、認めるに足る確かな証拠が必要となるからです。

例えば、親(贈与者)が子供(受贈者)に「(生前贈与のつもりで)土地(建物)をあげる」という認識でいても、受贈者が「土地(建物)をあげるというので親からもらった」という認識でいれば、「受贈者側が贈与に合意していない」として、相続後に相続財産に計上されることも。このような場合は、税務署から申告漏れを指摘される可能性があります。

こういった理由から、たとえ親子間であっても、贈与契約書をきちんと作成し、贈与したという事実を証拠として残しておくことが必要となります。

(2)辞退する場合、内容証明郵便にて辞退する旨を記し、贈与者に送る

受贈予定者が贈与者の申入れを辞退する場合、贈与契約は成立しませんが、トラブルを避ける意味でも、受贈者は贈与辞退の旨を内容証明郵便などにしたためて、贈与者に送付しましょう。

以降の段落では契約成立後の手順を示します。

4. 所有権移転登記と物件の引き渡しを実施

贈与するものが不動産の場合、物件の引渡しと贈与者から受贈者に所有権を移転登記します。

移転登記は個人でも実施可能ですが、所有権移転登記の申請書の作成や、申請書提出の際に添付する資料の取り寄せなど、登記に詳しくない素人が手配しようとすると、大変な労力や時間がかかります。

このような理由から、移転登記の手続きは、司法書士に依頼したほうが無難です。

5. 贈与税の申告・納税

贈与の金額が110万円を超えると、受贈者には贈与税の納付義務が発生します。原則として、贈与を受けた年の翌年3月15日までに現金で一括して申告・納付する必要があるので、受贈者は贈与金額と受贈された日を忘れないように気をつけましょう。

なお、贈与税の配偶者控除の特例(※)を利用する場合には、非課税であっても贈与税の申告が必要です。

※贈与税の配偶者控除の特例:結婚期間が20年以上の夫婦の間で、居住用不動産または住宅取得資金を贈与すると、基礎控除の110万円に加えて最高2,000万円までを非課税とする制度。

土地・建物の贈与税について

土地・建物の贈与の場合、相続税評価額(路線価)を使って算出された贈与額が110万円を超えていれば贈与税が発生します。また、土地・建物の贈与税額は、贈与を受けた日を基準として算出します。

生前贈与

生前贈与のメリット・デメリット

生前贈与は贈与者当人の意思のままに贈与できる!

ここで極端なお話をしますが、「自身の財産を赤の他人に全額贈与する」といったことも実は可能です。

死後に発生する遺産相続の場合、遺族には「遺留分減殺請求権」(いりゅうぶんげんさいせいきゅうけん)というものが認められています。これは、遺された親族(配偶者やその子供など)には一定割合の財産を請求する権利があるということです。しかし、生前贈与の場合、本人の自由な意思を反映できる点が遺産相続と異なります。基本的に贈与者本人の決定を、配偶者や子供であっても止める権利はありません。

遺産相続で財産を引き継がせるには、遺言状などで故人の意思を示すことになります。しかし実際の協議の場に被相続人である当人は不在です。遺言状の内容が相続人の遺留分を侵害するような内容であれば、相続トラブルになりかねません。

極端な例をあげましたが、ご自身の意思を自由に反映させて遺産を引き継ぎたい場合は、特に「生前贈与」が有効に働きます。しかし、死後の相続者同士のトラブルは避けたいものです。生前贈与の際は、ご自身の意思を表明したうえで、相続人全員へ配慮しましょう。

不動産の受贈側には、贈与税とは別に不動産取得税の納税義務が発生

受贈者が贈与によって不動産を取得したとき、贈与税の他に「不動産取得税」がかかります。不動産取得税は、贈与を受けた不動産が存在する市区役所や町村役場の税務課、都道府県税事務所のいずれかに申告・納税します。

納付金額を算出するのに必要な土地・建物の評価額についても、不動産取得税を申告・納税する自治体の税務課や税事務所などで教えてもらえるので、納税前に確認しましょう。

なお、配偶者控除の特例を活用して贈与税を無税にしても、不動産取得税は課税されるので、ご注意ください。

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