【2019年最新版】相続税対策に1500万円まで非課税の教育資金贈与とは

2019.10.11

相続コンサルタント会社ニーズ・プラス コラム編集部です。
平成25年の税制改革で相続税の基礎控除額が減らされた結果、相続税の対象者の割合は全体の8%を超えるようになりました。そんな中、まとまった額の資産を持つ人から注目を集めるのが、1,500万円もの金額を非課税で贈与できる「教育資金贈与」です。
そこで今回は、「教育資金贈与」について詳しくご紹介します。
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期間限定の特例措置「教育資金贈与」ってどんな制度?

教育資金贈与とは、30歳未満の人(※1)が直系尊属(※2)から「教育資金」として贈与を受けた金額が合計1,500万円まで贈与税がかからないという制度です。2013年にスタートした期間限定の特例であり、2021年3月末までの贈与に対してこの制度が使えます。

(※1)前年分の合計所得金額が 1,000 万円未満の人のみに限る。
(※2)贈与を受ける人と血がつながっていて、贈与を受ける人よりも世代が上の人。具体的には、父母、祖父母、曽祖父母などで、養子縁組の親子も含まれる。

通常であれば、年間110万円を超える贈与には贈与税がかかるので、1,500万円は大きな非課税枠と言えます。

「教育資金贈与」を行うために必要な手続きと注意点

この制度を利用するには、教育資金の贈与に対応している金融機関と契約をむすんで専用口座を開設し、そこに資金を預ける形で贈与を行います。契約期間中は金融機関が教育資金を管理し、非課税措置を受けるための手続きも、すべて金融機関経由で行います。
金融機関にもよりますが、大手の信託銀行の場合、利用手数料や口座からの払い出し手数料は無料です。

教育に使用して、所定の手続きをした分だけが非課税になる

重要なポイントは、贈与を行っただけでは非課税にはならないということ。贈与を受けた側が領収書を提出するなどして教育資金としての使用を申し出ることで、非課税措置が受けられるのです。
教育資金 非課税措置 イメージ図

必要な書類を提出しなければ、教育に使ったものとは認められず、教育資金の口座の契約が終了する時点(※)で贈与税の課税対象となります。

(※)贈与を受けた人が30歳になった時に契約が終了しますが、①在学中である、②教育訓練給付金の支給対象となる教育訓練を受けている、のどちらかに該当する場合は、40歳まで契約を延長できます。

非課税措置が受けられないケースもある

教育資金贈与を行った場合でも、以下の4つのケースでは、贈与税や相続税の課税対象になります。

(1)「教育資金」以外の用途に使用した場合
教育資金口座の資金は、教育以外の用途にも使えますが、その場合は非課税措置が受けられず、契約終了時にいっぺんに課税されることになります。教育資金以外に使うと多額の贈与税が発生するのご注意ください。

(2)教育資金贈与の口座の契約期間が終了した時点で、残高が残っていた場合

(3)「学校等以外」に500万円以上を支払った場合
詳しくは次項をご覧ください。

(4)(※2019年4月以降の贈与にのみ適応)贈与をした人が3年以内に死亡し、その時点で口座に残高がある場合
ただし、贈与を受けた人が ①23歳未満である、②在学中である、 ③教育訓練給付金の支給対象となる教育訓練を受けている、のいずれかに該当する場合、課税対象にはなりません。

(1)(2)のイメージは以下の通りです。
非課税措置がうけられない措置 教育資金 イメージ図

「教育資金」の使い道は幅広いが、ある程度の制限があることを知っておこう

非課税措置を受けるためには、贈与された金額を「教育資金」として使用しなければなりません。ここでの「教育資金」とは、国税庁が認めたもののみに限定されます。

「教育資金」にはどんなものが含まれる?

保育料や授業料、学習塾の月謝、留学費用など、さまざまなものが含まれますが、一部、除外されているものもあります。

例えば、大学に通うために借りたアパートの家賃や、個人的に買った参考書の代金などは、本制度の「教育資金」には該当しません。また、贈与を受けた人が23歳に達した後は、いわゆる「習い事」への支払いも教育資金とは認められません。

「学校等」以外に支払って非課税になるのは500万円まで

教育資金の支払先は、小学校、中学校などの「学校等」と、学習塾や水泳教室などの「学校以外」に分類され、両者で使用できる上限金額が異なります。「学校等」には、1,500万円すべての金額を支払えますが、「学校以外」には、1,500万円のうちの500万円までしか支払えず、それを超えた額については、課税対象とになります。

「教育資金」の範囲や、「学校等」と「学校以外」の区分について、詳しくは文部科学省の資料をご参照ください。

教育資金贈与のメリットとデメリット

天秤 比較

メリット

相続税の節税効果が高い
例えば、死期の迫っている人が2人の孫に1,500万円ずつ贈与した場合、3,000万円という金額を一気に相続財産から減らせますし、贈与後すぐに相続が発生しても、孫が23歳未満や学生なら相続財産には加算されません。暦年贈与で少しずつ財産を移すのが難しい場合には、とても有効な手段です。

「教育だけにしか使えないお金」をのこせる
贈与した資金は金融機関によって管理され、教育以外に使えば課税されてしまいます。現金を直接渡すよりも確実に、教育のために使ってもらえるでしょう。

デメリット

非課税措置を受けるための手続きに手間がかかる
・支払う内容が「教育資金」として認められることを確認
・領収書や通帳のコピーなど支払いの事実を証明できるものを提出
・支払先の名称や住所などを記入した指定の書式とともに領収書を金融機関に提出
以上の手続きが長ければ数十年にもおよぶ契約期間中ずっと続きます。

「使い残し」が出てくる可能性もある
契約終了時点で残高があると贈与税が課税されてしまいますが、多額の贈与を受けた場合、契約期間中に教育資金として全額使い切れない可能性があります。

参考までに、幼稚園から大学まですべて公立に進んだら、かかる費用は約800万円というデータもあります。塾や習い事には500万円までしか使えないことを考慮に入れると、例えば、来年から就職することが決まっている大学4年生が1,500万円の贈与を受けたとしたら、30歳までに教育資金として使い切るのは難しいと思われます。まとまった金額の贈与は、贈与を受ける人が低年齢のうちに行うのが良いでしょう。

教育資金の贈与を行う前に「あげる側」と「もらう側」が確認すべきこと

おじいちゃんと孫

贈与する側は他の親族からの合意を得ておく

数人から贈与を受ける場合でも、贈与を受ける人1人の上限額が1500万円であることには注意が必要です。例えば、父側の祖父が「孫に教育資金贈与を行いたい」と考えていたとします。しかし、母側の祖父が孫に対してすでに1500万円の贈与をしてしまっていたら、父側の祖父は贈与ができないのです。
また、多額の贈与を行えば、相続時に法定相続人の取り分が減ることも考えられます。相続人となる人物が教育資金贈与に賛成しているか、確認しておいた方が無難です。

贈与を受ける人は制度の運用手順を理解する

贈与された資金を非課税で受け取るための煩雑な手続きはすべて、贈与を受けた側が行うことになります。喜んでもらえる贈与にするためにも、もらう側がこのことをよく理解し、実際の運用についてイメージを持っておくことが大切です。

思いをのこせる「教育資金贈与」で円満な相続対策を

大切なお孫さんやひ孫さんの未来を応援でき、相続税対策としても有効な教育資金の贈与。2021年3月末までの期間限定のため、利用を検討している人は急いだ方が良いでしょう。

「相続税がかかるかもしれない」と気がかりな方は、元気なうちにお持ちの財産を整理しておくことをおすすめします。財産のなかで評価が難しいのは「土地」です。土地をお持ちの方は、一度、専門家に相談してみてはいかがでしょうか。

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